コンビニやスーパーで手軽に購入できるジュースなどの砂糖入り飲料。毎日飲んでいるという人もいるかもしれません。しかし、毎日の摂取はがんの発症に影響を及ぼす可能性があり、注意が必要です。米国立がん研究所の研究員らが欧米の約150万人分のデータを分析した結果、砂糖入り飲料を飲む量が1日1杯増えるごとに、一部の肝臓がんのリスクが高まる可能性が示されました。この内容について佐々木先生に伺いました。

監修医師:
佐々木 健也(医師)
高知医科大学医学部(現・高知大学医学部)卒業。消化器内科医として10年以上にわたり、大学病院や基幹病院で肝胆膵領域の専門診療に従事。ウイルス性肝炎、MASH(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)、肝細胞がんを中心に、最新のガイドラインに基づく標準治療から地域医療における患者マネジメント、病診連携まで幅広く携わる。アルコール依存症診療にも豊富な経験を有し、精神科領域への出向経験を生かして、物質依存症や行動依存症に対する医学的助言も行う。近年は父親としての育児経験を契機に、小児の成長・発達、児童心理、発達障害、児童精神医学にも関心を広げ、看護師や公認心理師など多職種と連携した研究プロジェクトの準備を進めている。日本内科学会認定内科医、日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会専門医。
研究グループが発表した内容とは?
編集部
米国立がん研究所の研究員らが発表した内容を教えてください。
佐々木先生
米国立がん研究所の研究員らは、「砂糖入り飲料」と「人工甘味料入り飲料(ゼロカロリー飲料など)」が、それぞれ肝臓がんのリスクとどう関係するかについて、米国と欧州の11の大規模追跡調査から約150万人分のデータを統合分析しました。結果として、砂糖入り飲料の摂取量が1日1杯増えるごとに、肝細胞がんと肝内胆管がんのリスクがそれぞれ約10〜15%高まることがわかりました。一方、人工甘味料入り飲料については、肝臓がん全体、およびいずれのタイプとの関連も認められませんでした。この結果は、砂糖入り飲料の摂取を控えることが肝臓がんの予防につながる可能性を示唆しています。
肝臓がんの原因とは?
編集部
今回のテーマに関連する肝臓がんの原因について教えてください。
佐々木先生
肝臓がんの主な原因は、B型・C型肝炎ウイルスへの持続感染です。ウイルスが長期間体内にとどまることで炎症と細胞再生が繰り返され、慢性肝炎から肝硬変を経て、がんへと進行することがあります。また、多量の飲酒によるアルコール性肝障害や、肥満・糖尿病などの生活習慣病が引き起こす代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)も重要な原因です。
このほか、喫煙や高齢、カビ毒の一種であるアフラトキシンへのばく露もリスク因子として知られています。生活習慣の見直しや定期的な検査で、早めに対策をとりましょう。

