Umiosの市販用冷凍食品事業における2025年度実績は、価格改定の影響で米飯類は好調に推移したものの、ボリュームの大きい弁当類が苦戦し前年を割れた。今期は弁当類の復活と、個食米飯「WILDish(ワイルディッシュ)」の拡販などに注力し、巻き返しを図る。中期的には主力の本格中華シリーズ「新中華街」に並ぶブランドの育成にも取り組み、売り上げ増へとつなげていく。長谷川孝成 執行役員 加工食品ユニット長 兼 市販用冷凍食品事業部長に、同事業の前期業績動向と今期の重点施策などについて聞いた。
長谷川孝成 執行役員 加工食品ユニット長 兼 市販用冷凍食品事業部長
――前期を振り返って
25年度市販用冷凍食品事業の売上高は、価格改定の影響を受け、前期比一ケタ後半減で着地した。数量ベースでも同様の落ち込みとなり、利益については、前年を超えたものの予算には未達だった。市販用冷食市場は、金額・数量ともに前年を超えており、上期は比較的堅調に推移したものの市場全体より落ち込む結果となった。
米飯類については、米騒動(コメ不足)の追い風があり、その影響で売上高は予算を超過した。新中華街「あおり炒めの焼豚炒飯」や「ビビンバ」を中心に伸び、「WILDish」も堅調に推移した。
農産品は、後半に原料不足があったものの、トータルでは予算をわずかに超えた。特に少量パックは使い勝手の良さで引きが高まり、フルーツ類も堅調に伸びた。
苦戦したのは麺類で、予算比で大幅減となり、立て直しに向けた施策の必要性を感じている。当社は、新中華街「横浜あんかけラーメン」など冬型の商品が多いため、夏場は酷暑の影響を直接的に受け、売り上げ減となった。「新中華街」シリーズが発売30周年を迎えたことから、下期にプロモーションを強化したが、前半の遅れを取り戻すまでの数値には至らなかった。
弁当類については、価格改定以降、全体的に数量の落ち込みが続いている。当社としてボリュームの大きいカテゴリーであり、その影響が全体の売上減少につながった。価格改定が続く中、弁当類のプライスラインと内容量について、消費者の視点がよりシビアになってきていると痛感している。
スナック類については、「えびとチーズのグラタン」が堅調に推移した。ピザは、下期に希望小売価格帯を揃えてからは好調だったが、上期の遅れを取り戻すまでには至らなかった。
商品面では、引き続き「新中華街」シリーズの新商品が堅調に推移。なかでも、昨秋にリニューアル発売した「海鮮あんかけ焼そば」は、主力の「五目あんかけ焼そば」に次ぐ配荷導入率と回転率へと成長している。複数のラインアップの投入により、面で売り場の獲得を目指す施策が功を奏した。同シリーズの新商品「極旨!むね唐揚げ」や韓国ツナ缶詰市場トップのDongwon(ドンウォン)社とコラボレーションした「WILDish 唐辛子ツナ炒飯」は、良い評価をいただいているものの上位品にはたどり着けておらず、引き続き育成していきたい。
――今期の動向は
4~5月の状況では、カテゴリーによって、引き続き苦戦しているアイテムもある。農産品については、数量ベースでは伸びているものの、為替影響で利益の確保が厳しい。米飯類については、昨年価格改定を実施した影響が大袋商品を中心に表れており、苦戦が続いている。但し「WILDish」は、大袋タイプと比較した値ごろ感から引きが高まっている。
今春の新商品では、韓国屋台の味を手軽に家庭で楽しめる麺シリーズ「チプポチャ」を立ち上げ、「ポックンチャンポン」「クリーミーポックンミョン」の2品を発売した。一部量販店で展開されている韓国冷食コーナーなどに導入されており、ターゲットに想定する20~30代女性に向けたプロモーション展開を検討するなど、定着化に向け施策を投じていく。
「新中華街」には、「赤坂璃宮の小籠包」を発売。スープを最後まで楽しめるレンゲ型のトレイ付きで、味の評価は高く、一定以上の支持を集めている。ただ、トレイは特注品なため、中東情勢が懸念事項としてはある。
弁当類では、「チーズ揚げチヂミ」が好調。かわいらしい見た目が支持され、配荷も売り上げも順調に推移している。
チーズ揚げチヂミ
加えて、7月に「新中華街」シリーズの新たなラインアップ「酸辣焼そば」を発売する。例年、新商品は春と秋に発売しているが、新たな試みとして盛夏に投入する。さわやかな酸味とクセになる辛味が特徴の夏向けの商品で、暑く長い夏に売り上げの山場を作り、数量ベースでの売り上げ確保につなげる。トレンドを意識した味わいに仕上がっており、配荷も順調に進んでいる状況だ。近年、原材料や人件費、物流費などの高騰を受け、各社とも毎年価格改定を実施しており、店舗への導入が後ろ倒しになる傾向が強まっている。季節感を意識した商品を春秋以外にも仕掛ける施策で、数量ベースでのボリューム維持に注力する。
酸辣焼そば

