夏になると毎日のように飲む麦茶。
しっかり冷やしたはずなのに、香りが弱い、コクがない、なんとなく物足りないと感じたことはないでしょうか。
実はその『おいしくない』という感覚には、味覚と温度の深い関係が隠れているのかもしれません。
当記事では、酢の製造を通じて食材の可能性を引き出し、さらなるおいしさを追求する、株式会社とば屋酢店の知見を参考に、食べ物や飲み物の味と温度の関係について解説します。
【こちらもおすすめ】
味覚には『感じやすい温度』がある
甘み、塩み、苦み、うまみなどを感じる味覚受容体というセンサーが舌に備わっていることをご存知でしょうか。
うまみや甘みは体温に近い30℃くらいで強く感じられ、低温または高温になるほど弱くなります。
※写真はイメージ
つまり、飲み物を冷やせば冷やすほど、うまみや甘みのセンサーの働きは鈍って味を感じにくくなるということです。
麦茶を冷やすと何が起きているのか
麦茶のコクや風味のもとになっているのは、麦の焙煎で生まれるうまみや甘みの成分のため、キンキンに冷やせば冷やすほど、これらを感じにくくなってしまいます。
麦茶が薄いと感じるのは、冷やしすぎが原因かもしれません。
※写真はイメージ
さらに見落としがちなのが、苦みの変化です。
苦みは、低温から体温程度の温度では強く感じられます。
麦茶には焙煎由来の苦み成分が含まれているのが特徴。冷やせば冷やすほどうまみやコクが弱まる一方で、苦みは際立ちやすくなります。
冷えたジュースがぬるくなると甘ったるく感じるのも、同じ仕組みです。冷たいスイーツには、甘みを感じられるよう、より多くの糖分が使われる傾向にあります。
冷たい状態では甘みを感じにくいため、あらかじめ多めに糖分を加えることで、飲んだ時にちょうどよく感じるよう調整されているのです。
麦茶の『薄さ』も、これと同じ原理で起きています。

