そしてこれまた、ちょっとした意外性なのが、平埜本人の文章力である。事務所公式Instagram上などで彼は、エッセイ風の筆致を駆使してかなりクセは強いが、読んでいてクセにはなる文章を“生成”している。“イケメン研究家”加賀谷健が、見事な“生成文”を書く平埜生成を解説する。
嫌味な外科助手のキャラクター性
『風、薫る』第7週第32回、主人公・一ノ瀬りん(見上愛)は実習先の帝都大病院で、頑固一徹な患者の看護に苦戦していた。どうアプローチしようが堅牢な抵抗を緩めてくれない。するとそこへ、さらなる強敵たちが現れる。回診で患者の病室にやってきた、外科の面々たちである。外科教授の今井益男(古川雄大)を筆頭に、揃いも揃っていけすかない態度で見習い看護婦たちをあからさまに見下す。患者の気になった点を教授に指摘しようものなら、鼻であしらわれる。まともに口もきけない。
りんは負けじと引き下がるが、今度は外科助手の黒川勝治に制止され、遮られる。侯爵婦人が入院してくる第35回では、失礼がないよう「くれぐれも勝手なことをしないように」と黒川が釘を刺す。「くれぐれも」で語気を強める、この外科助手のキャラクター性をくっきり縁取るようにカメラもまた、何だか嫌みな動きで寄る……。
クセは強いが、見事な“生成文”
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第32回で初登場した黒川役を演じるのは、平埜生成だ。「ひらのきなり」と読む。美しい姓名の響きだが、平埜本人は所属事務所アルファエージェンシーの公式Instagram上で、こんなチャーミングなイントロダクションを披露している。
『風、薫る』告知投稿(2026年2月28日)のキャプションを、平埜本人が書いている。「こんにちは、平埜生成です。ひらのきなり、と読みます。気軽に『きなり風』と呼んでください」。書き出しからユニークである。
さらにこんなエクスキューズ。「『きなり風』と書いて、「きなり、フゥー!」と呼んでほしい。裏声を交えながら。フゥー!と叫んでほしい。コンサートで曲が終わった時に聞こえてくる『フゥー!』。あれです」と、かなりクセは強いが、これが不思議とクセになる見事な“生成文”なのだ。

