甲状腺の異常に早く気付くには?
編集部
甲状腺の異常に早く気付くには、何に注意すればよいでしょうか?
向笠先生
まずは、何となくの不調を見過ごさないことです。甲状腺機能低下症と甲状腺機能亢進症で出現する症状は正反対のものですが、いずれも更年期やストレスと誤解されやすいという特徴があります。特に、甲状腺機能低下症に見られる「疲れやすい」「物忘れをしやすい」「認知機能が低下する」といった症状は高齢者に見られやすいため、「年のせい」と見過ごされてしまうことが少なくありません。1カ月ほど症状が長引くときには、ぜひ採血検査を受け、病気の有無を確認するとよいでしょう。
編集部
健診でTSH異常を指摘されたら、どうすればよいでしょうか?
向笠先生
放置せず、内科や内分泌内科、甲状腺疾患を扱う医療機関で再検査を受けることをおすすめします。TSHは一度の値だけでは判断しきれないことがあり、FT4やFT3、甲状腺の抗体検査などを追加して、本当に治療が必要な状態かを見極めます。症状がなくても異常が隠れていることはありますし、逆に一時的な変動だけのこともあるため、念のため確認する意識を持つようにしましょう。
編集部
受診時に気を付けたほうがよいことはありますか?
向笠先生
サプリメントや薬の情報をきちんと伝えることが大切です。特にビオチン(ビタミンの一種でビタミンB7、ビタミンHとも呼ばれる)は甲状腺検査の値に影響することがあるため、服用している場合は事前に医師へ伝えましょう。また、妊娠中や妊娠を希望している人ではTSHの管理がより重要になるため、その点も必ず医師に話してください。
編集部
健診で異常を指摘されたら、まずは受診することが肝心ということですね。
向笠先生
はい。甲状腺の病気は、早く気付けば比較的コントロールしやすいとされています。最近は健診や人間ドックでTSHを調べる機会も広がり、以前より早い段階で異常が見つかるケースも増えています。たとえ気になる症状がなくても、TSH異常を一度でも指摘された場合は、必ず専門の医療機関を受診して、きちんと診断をつけておくことが重要です。特に、女性は甲状腺疾患が見られやすいため、注意が必要です。
編集部まとめ
健診でのTSH異常は、体からの小さなサインかもしれません。自覚症状が軽くても放置せず、一度専門の医療機関で確認することが大切です。特に、女性は甲状腺の不調に気付きにくいケースもあるため、健診結果を軽く考えず、早めの受診につなげましょう。

