入浴中・入浴後に脳梗塞を発症しやすい人の特徴

お風呂での脳梗塞リスクは、全員が一律に高いわけではありません。以下のような特徴を持つ方は、特に注意が必要です。
高血圧や動脈硬化の持病を抱えていること
高血圧や動脈硬化がある人では、血管が硬くなっているため、血圧や血流の変化にうまく対応できないことがあります。入浴時の血圧変動がきっかけとなって脳卒中や心血管イベントのリスクが高まる可能性があるため、湯温や入浴時間に注意が必要です。
糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病がある人
糖尿病や脂質異常症がある人は、動脈硬化が進みやすく、脳梗塞や心筋梗塞の危険性が高くなります。
入浴による脱水や血圧変動が加わることでリスクが高まる可能性があるため、普段以上に安全な入浴を心がけましょう。
高齢の人(特に65歳以上)
高齢になると、血圧や体温を調節する機能が低下しやすくなります。
そのため、寒暖差による血圧変動の影響を受けやすく、ヒートショックや入浴事故のリスクが高くなります。また、喉の渇きを感じにくくなるため、脱水にも注意が必要です。
日常的にお風呂の前後の水分補給を怠っていること
入浴中は汗や呼気によって水分が失われます。
特に高齢者では脱水に気づきにくいため、入浴前後にコップ1杯程度の水分を補給する習慣をつけることが大切です。
飲酒直後や、食事を摂った直後のタイミングで入浴する習慣があること
飲酒後は脱水になりやすく、血圧も変動しやすくなります。
また、アルコールには判断力を低下させる作用があり、転倒や溺水事故の危険も高まります。
食後すぐの入浴も体に負担をかけることがあるため、できれば少し時間を空けてから入浴するのが望ましいでしょう。
脱衣所や浴室が冷え切っている、著しい寒暖差のある住環境で生活していること
冬場は、暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室へ移動すると血圧が急上昇し、その後お湯に入ることで急低下することがあります。
この急激な血圧変動はヒートショックと呼ばれ、高齢者や持病のある人では特に注意が必要です。
脳梗塞を予防するために入浴中・入浴後はどんなことに気をつけたらいい?

お風呂での致命的な事故を防ぎ、脳梗塞のリスクを最小限に抑えるためには、今日からでも実践できる入浴方法を生活習慣へと組み込むことが勧められます。
脱衣所や浴室をあらかじめ暖めておく(冬場)
冬場は、暖かい部屋から寒い脱衣所や浴室へ移動すると血圧が急上昇し、その後お湯に入ることで急低下することがあります。この急激な血圧変動はヒートショックと呼ばれ、高齢者や持病のある人では特に注意が必要です。
入浴前後に、必ずコップ1杯の水分を意識的に補給すること
入浴中の発汗による血液の濃縮(ドロドロ化)とそれに伴う血栓の発生を防ぐため、お風呂に「入る前」と「上がった後」のタイミングにそれぞれコップ1杯(目安として約200ミリリットル程度)の水分を摂取することをルーティンにしてください。
補給に適しているのは、体内に速やかに吸収される「常温の水」や、ノンカフェインで胃腸に優しい「麦茶」です。緑茶やウーロン茶、コーヒーなどは、カフェインによる利尿作用があるため、入浴前後の水分補給としては逆効果になることがあるので避けてください。
湯船の温度は41度以下の『ややぬるめ』に設定する
安全な入浴のためには、41℃以下、できれば38〜40℃程度のお湯がおすすめです。
熱すぎるお湯は血圧や心拍数の変動を大きくし、体への負担が増える可能性があります。
湯船に浸かる時間は最長でも10分以内を目安とし、長湯を完全に避けること
長時間の入浴は脱水やのぼせの原因になります。
一般的には10〜15分程度を目安にし、途中で休憩したり水分補給を行ったりすることが大切です。高齢者や持病のある人は、さらに短めを意識するとよいでしょう。
浴槽から出るとき、急に立ち上がらずにゆっくりとした動作で行うこと
入浴中は温熱によって体全体の血管が極限まで広がっているため、急に勢いよく立ち上がると、重力の影響で脳へ行くべき血液が一瞬にして下半身へと引っ張られてしまいます(起立性低血圧)。
これにより、頭がクラクラとして足元がふらつき、滑りやすい浴室で転倒して頭を強く強打したり、骨折をしたり、一時的に意識を失って浴槽内へ崩れ落ちたりする危険性があります。浴槽から出るときは、必ず浴槽の縁やしっかりと固定された手すりを掴み、まずは浴槽内の段差や浴槽内ベンチなどに腰をかけて、10〜20秒ほど深呼吸をして血圧を落ち着かせてから、ゆっくりと立ち上がる動作を起こしてください。

