国民にラジオで捜索を呼びかけ 行方不明になった大統領の「放浪猫」 米国

国民にラジオで捜索を呼びかけ 行方不明になった大統領の「放浪猫」 米国

大統領の愛猫が行方不明に

ホワイトハウス

画像はイメージです

1923年から29年まで米大統領を務めたカルビン・クーリッジは、妻ともども大の動物好きでした。大統領はとくに猫を好み、妻は犬が好きでした。

1923年10月、夫妻はホワイトハウスに移って間もなく、2匹の子猫を飼い始めました。オス猫Tigeとメス猫Blackyです。Tigeは大統領と強い絆を築きました。勤務を終えた大統領がベルを鳴らして「住居」に戻ることをスタッフに知らせると、それを聞いたTigeは柱廊に駆け出し、執務室からホワイトハウス本館まで主人を出迎えたといいます。大統領はうれしそうにTigeを抱き上げ、肩にのせてそのまま2階へと連れて行くのが日課でした。

1924年3月21日の夜、首都ワシントンD.C.は吹雪に見舞われました。 ホワイトハウスの敷地も一面雪に覆われたのです。ところが元気いっぱいのTigeは、だれにも気づかれずに大統領官邸を抜け出してしまいました。翌朝、クーリッジ大統領はTigeが行方不明になったとの報告を受けました。その後3日間、ホワイトハウスの捜索隊は子猫の痕跡を見つけることができなかったといいます。

ラジオを通じて捜索を呼びかけ

星条旗のそばにいる子猫

画像はイメージです

大統領夫妻は、猫の捜索のためにラジオを利用することにしました。

大統領夫人の警備担当官James Haleyは、その前年に開局したばかりの地元ラジオ局WCAPで、「猫の返還を求める呼びかけ」を読み上げることになりました。その日の夜は農務長官が農業政策について語るためラジオ出演するはずでしたが、その代わりに次のような放送があったのです。

「アメリカ合衆国大統領の飼い猫が行方不明になったことをお知らせいたします。生後7ヵ月のオス猫Tigeで、虎のような模様があります。とても人懐っこい性格で、クーリッジ大統領も大変かわいがっていました。金曜日の夜の吹雪以来、姿が見えません。この猫を見かけた方は、ぜひホワイトハウスへ返していただければ幸いです。よろしくお願いいたします」

ホワイトハウスにはたちまち「Tigeの代わりになる子猫ならいるが、どうか」との「売り込み」メッセージが殺到しました。さらに、この放送は新聞各紙の注目も集め、さっそく朝刊用に大統領の猫の失踪についての報道記事が準備されました。

提供元