進行大腸がんでも「約20%」は便潜血で陰性? 検査の限界を医師が解説

進行大腸がんでも「約20%」は便潜血で陰性? 検査の限界を医師が解説

大腸カメラでは何が分かるの?

大腸カメラでは何が分かるの?

編集部

そもそも、大腸カメラ検査とはどのような検査なのでしょうか?

笹島先生

肛門から内視鏡を挿入し、直腸から盲腸までの大腸全体や小腸の出口である回腸末端を詳しく観察する検査です。必要に応じて組織検査やポリープ切除も行えるため、診断と治療の両方に役立つ重要な検査といえます。

編集部

大腸カメラ検査では、どのような病気が分かるのでしょうか?

笹島先生

大腸がんや大腸ポリープなどの切除を要する病気のほか、びらんや潰瘍が消化管に発生する炎症性腸疾患である潰瘍性大腸炎(大腸に炎症ができる病気)やクローン病(すべての消化管のうち主に小腸や大腸に炎症ができる病気)などの薬物治療の適応となる炎症性腸疾患、憩室(けいしつ)などの出血や炎症の原因となる病変を確認できます。特に大腸がんは早期の症状が乏しいことも多いため、内視鏡で直接観察する意義は非常に大きいと思います。

編集部

どのような人が、特に大腸カメラを受けたほうがよいのでしょうか?

笹島先生

便潜血陽性となった人はもちろんのこと、血便、便秘や下痢、腹痛、体重減少などの症状がある人には受診を勧めます。また、40歳以上で一度も大腸カメラを受けたことがない人、過去に大腸ポリープを指摘された人、血縁者に大腸がんの人がいる人も要注意です。
さらに、以下も大腸がんのリスク因子として知られています。
・肥満
・飲酒
・喫煙
・赤肉(牛や豚などの赤身肉)中心の食生活
・加工肉(ハム・ベーコンなど)や超加工食品(工業的な原料や添加物を5種類以上使って製造された食品。菓子パン・総菜パン、インスタント食品、清涼飲料水、冷凍食品など)の摂取が多い食生活
・運動不足

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

笹島先生

自分にどのくらい大腸がんのリスクがあるのかは、食生活などの生活習慣だけでは分かりません。気になるのであれば、あれこれ考えるよりも検査を受けたほうが早いと思います。長年陰性が続いていた人が、ある年に陽性となって大腸カメラを受けたところ、進行した大腸がんが見つかった——そうしたケースを何度も目にしてきました。早い段階で発見して切除できれば、肉体的・経済的な負担を抑えられますし、精神的なショックも少なく済みます。ぜひ症状がない、あるいは乏しいうちに検査を受けてもらいたいと思います。

編集部まとめ

便潜血検査は体への負担がほとんどなく、広く行われていますが、「陰性だから絶対安心」「陽性になるまで大腸カメラは受けなくて大丈夫」というわけではありません。特に早期の大腸がんやポリープでは陰性になることもあります。大腸カメラは、大腸を直接観察できるだけでなく、必要に応じてポリープ切除まで行える重要な検査です。40歳をすぎた人や、これまで一度も検査を受けたことがない人は、受診を検討してみてはいかがでしょうか?

配信元: Medical DOC

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