結婚が決まり両家顔合わせの日程を調整していた当時、私と夫は20代後半で、医療機関に勤めて4年目でした。しかし当時はコロナ禍の真っ最中。感染対策で県内の移動すら自粛を求められ、どこへ行くにも慎重な状況でした。そのため結納はせず、最小限の人数と時間で顔合わせを済ませたいと考えていたのですが……。
両家顔合わせの前に「お茶会」を強要する父
私の実家は山あいの小さな集落にあり、昔からのしきたりや近所付き合いを大切にする家庭です。顔合わせの日程が決まって数日後、突然父から「結納をしないのは仕方ないとしても、正式な顔合わせの前に親同士でお茶をいただくだけでもいいから、あいさつの場を設けてもらわなければ困る」と連絡が入りました。
60代の両親は「結婚には段取りがある」という思いが強く、結納をおこなわない代わりに、正式な顔合わせの前段階として親同士が顔を合わせておくべきだと考えていたようです。
あとから聞いた話ですが、結納をおこなうのが難しい状況を父が近所の知人に相談したところ、「まずは親同士だけで『お茶会』をしてはどうか」と提案されたのだとか。地元にそんなしきたりはありませんが、父はその案に納得してお茶会の開催を強引に進めてしまいました。
感染拡大が続く中、わざわざ別日に集まる意味が私には理解できません。夫側にも都合があるのだからと説明しても父は一切耳を貸さず、「できないなら婚約自体を考え直したほうがいい」とまで言い放ったのです。
数々の障壁をなんとか乗り越えて…
当時、60代の義父は海外出張中で帰国制限がある中、私たちのために急きょ帰国してくれました。ただ、私たちの勤務先からは「海外から帰国した家族とは1週間は距離を置き、体調に異常がないか確認してから行動すること」と指示がありました。
事情を説明して私の両親もようやく納得し、父がこだわる“顔合わせ前の事前あいさつ”として、まずは義父の帰国から1週間後に「お茶会」をおこない、そのさらに1週間後に「正式な両家顔合わせ」を執りおこなうというスケジュールで進めることになりました。
しかし、私の実家はナビを使ってもわかりにくい場所にあり、義両親だけでは道に迷う可能性があります。そのため、当初は親同士だけの予定でしたが、道案内を兼ねて私と夫も同席することになり、当時は制限の厳しかった勤務先からも特例として許可を得ました。こうして万全を期し、ようやく実家でのお茶会当日を迎えたのです。

