心とからだの健康を第一に考えたワークライフバランス
ファッションアイコンとして名だたるメゾンのアンバサダーを務め、コレクションやカンヌ国際映画祭など、華やかに世界を飛び回る彼女だが根は真面目。だから、“バラエティタレント・ローラ”の爆発的人気が巻き起こす狂騒のなか、うつ状態だった自分の心とからだを大切にするために拠点を海外に移すと決めた。7年前、大きな決断だったというそれが正しかったかどうかは、今の彼女を見れば一目瞭然。発信するメッセージも以前とは変わっていった。
「全くだった英語もだいぶ喋れるようになったし、こっちで自分の心を見つめなおす時間も取れて、運動したり、食を変えてみたり。丁寧に暮らしを整えていくことで、なんていうのかな、今はやっと、少しずつ自分の中に芯が作られてきてる感じがする。前は間違えることを恐れて縮こまっていた部分も、気にならなくなったし。分からないことは正直に尋ねたらいい。そうやっていたら、なんだかすごく楽になった」
それは今回のロケで、同じLA在住のヘアメイクチームや親しい友人たちといる姿を見ただけでも伝わってくる。リラックスできる環境で、心許せる人たちと過ごしているんだなということが。
「ありがとう。そう、すごく素敵な人がいっぱいいるの。私はこっちに来て少しずつ、うつ病から元気になっていったんだけど、その経験を生かして、今同じような気持ちになってる人を支えられたらいいなと思って。SNSを通じて心とからだの健康の大切さを発信してる。これから先、もっと私らしくポジティブに伝えられるよう、勉強もしてるんだ」
【穏やかな海風と心地いい服で素のままの自分を解放】風をはらんで心地よさそうに揺れるユニセックスなオーバーシャツはオーガニックコットン100%、合わせたトラウザーショーツはペットボトル由来のリサイクルポリエステル生地を使って仕立てられている。今、ファッションにおいて環境問題への意識は必須。しかし、それだけに囚われるのではなく、なによりもまず服に着たいと思わせる魅力があることが重要。私たちが今、STUDIO R330に夢中なのは、それを着た自分を想像するとワクワクするから。シャツ¥26,400、クロップドタンクトップ¥7,150、トラウザーショーツ¥23,100(全てSTUDIO R330)、ピアスはスタイリスト私物
常に学び続けるストイックなディレクターとしての横顔
そう語る彼女はとても生き生きしていて、ロスでの生活を満喫しているように見える。
「うん、そうだね。30代に入ってものすごく楽しいの。だから40代はもちろん、50代になることも楽しみ。40歳までになりたい理想の姿はもう頭の中にあるから、そこに向かって後悔のないよう毎日コツコツ準備を始めてる」
キャリアはまさに絶好調で、2020年にローンチした、自身がクリエイティブ・ディレクターを努めるエシカルでサステイナブルなライフスタイルブランドSTUDIO R330も波に乗っている。周囲から見ればうらやましい限りだが、そんな彼女も、日々困難に立ち向かっている。
「環境に配慮した物作りって、思っていたより数倍大変で。毎回、少ない選択肢の中から、どうやってうまく理想を形にしていこうか、たくさんの打ち合わせを重ねて、話し合いながら試行錯誤してる。私もこだわりが強いほうだから。いいバランスを探しながらビルドアップしてる感じ。そのプロセスをなるべく楽しみながらね(笑)。頑張った分、少しずつだけど確実に成長していくし、それによって自信もついてきた。今は、会社を経営することの大切さとか、難しさも学んでる。みんなが聞いたらびっくりしちゃうくらい少人数のスタッフでやってるから、いろいろ大変なの(笑)」
【“らしさ”が宿るシンプルでエフォートレスなワードローブ】「人それぞれだよね。何が古くて、何を新しいと思うのかは。私は3年前に作った服も、未だに好きでずっと着てる。自分にとってエッセンシャルなものは、そんなに変わらない気がする」そう語るローラ。シルエットにこだわったというトラウザーに合わせたタートルネックニットは、ボディラインを美しく描くフィット感が絶妙。ちなみにこのトラウザー1着につき約42本のペットボトルがリサイクルされているそう。クロップドタートルネック¥9,350、ワイドトラウザー¥25,300(共にSTUDIO R330)、サングラス〈メルバ〉¥9,900(エスザーデ/エスザーデ ジャパン)、ピアスはスタイリスト私物
そんな真摯かつ真剣な姿勢は、生み出されるプロダクトに反映されている。これから先のビジョンはもう何かあるのだろうか。
「アロマとハーブもすごく好きで、資格を取ったの。STUDIO R330 はライフスタイルブランドだから、服とは違うものも開発していきたいなと思って。しっかり全体を見て勉強しなきゃだから、たくさん本を読んでる。時間がかかってしまいそうだけど、ゆっくり、自分のペースで。それから、ロスで再会した昔の仲間たちが、映画を作ってるんだけど、それに向けて実は演技のトレーニング中なの。うまくいくといいなって、すごくワクワクしてる!」
抜群のセンスを生かしてますます存在感を示していきそうな彼女に、どうしたらそんな風に生きられるの? と聞いてみた。
「自分を知ることかな。人生は全部自分で選択したものでできているって思うから。どこに住むか、何をするのか、どんな人たちと一緒にいるのかも。人間はみんな、幸せになりたいって思ってるじゃない? だから、自分は何にワクワクするんだろうっていう気持ちをフォローしながら、進んでいってみるといいのかもしれない。今、自分の周りにいる人たちは、そうやって生きてきたんだろうなって思うほんとうに美しい人たちばかりで……。彼らから刺激を受けながら、私もまだまだ学んでる。ときどき、ちょっと傷ついちゃったりとか、いろいろあるけど、それが成長させてくれてるんだなって思って、ネガティブをポジティブに捉えて考えるようにしてる」
【大好きなデニムを纏って波打ち際で戯れるそんな何気ない幸せな風景】ローラが着たアイコニックなデニムは、環境保全に力を入れる日本有数のデニム生地メーカー、カイハラのデニム地を使用。それを“今世界で一番エシカルでサステイナブルなデニムを作る”と評されている南ベトナムのサイテックス・インターナショナルが縫製。生産時の水量をおさえるだけでなく、使用した水の98%をリサイクル。電力削減に至るまで環境配慮を意識している。波打ち際で戯れる彼女の無邪気な姿から美しい自然が見せてくれる、何気ない風景がかけがえのない大切なものと知る。ドルマンスリーブデニムジャケット¥21,450、ワイドテーパードフィットデニムパンツ¥18,700、クロップドタートルネック¥9,350(全てSTUDIO R330)、ピアスはスタイリスト私物
profile_1990年生まれ、東京都出身。バングラデシュ人の父と、日本人とロシア人のクォーターの母のもと日本に生まれる。幼少期をバングラデシュで過ごし、再び日本へ。高校生のときに渋谷でスカウトされたことをきっかけに、16歳でファッションモデルのキャリアをスタート。その後、愛くるしいキャラクターと個性溢れるスタイルでタレント·歌手·女優としても活躍。自身で立ち上げたライフスタイルブランドSTUDIO R330 (ストゥディオ アール スリーサーティー)ではクリエイティブ·ディレクターも務める。現在はLAを拠点に日本を代表するファッションアイコンとして世界を飛び回る。
photograph:HIROYUKI SEO styling:KAZUE MIZUSHIMA hair:YUICHI ISHIDA make-up:ERIKA ABE model:ROLA coordinate:MAKI KONIKSON[Konikson Productions, LLC.]
otona MUSE 2023年12月号より
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