●拘置所「本人の動静を視察する必要性があった」
原告が代理人弁護士を通じて名古屋拘置所長に問い合わせたところ、次のような回答が返ってきたという。
「本人が公表前に当該事案を聞知していた経緯があり、職員によるろう絡事案又は不適正処遇事案の疑いが生じたことから、実情を調査するとともに、嫌疑が解消されるまでの間、本人の動静を綿密に視察する必要性があったため、一時的に本人をカメラ付き居室に収容したものです」
「ろう絡」とは、自分の思い通りに相手を操ろうとすることを意味する。
これに対し原告側は、拘置所が問題とする「ろう絡」は原告ではなく職員によるもので、監視の対象となるべきは職員側だと主張している。
さらに、カメラ室から通常の居室へ戻された後も、職員が単独で対応する際にはウェアラブルカメラで撮影される対応が続いているという。
原告は、これらの一連の措置は国家賠償法上違法であり、プライバシーを著しく侵害されたとして、慰謝料や弁護士費用を合わせた計44万円の賠償を求めている。
●原告代理人「制裁としておこなわれた疑いがある」
原告代理人の大野鉄平弁護士は、提訴にあたって次のようにコメントした。
「本件のカメラ室収容は、拘置所内の自殺事案に関する重要な事実を知った原告に対する事実上の制裁として行われた疑いがあります。原告が把握した事実はいずれも本来社会に公表されるべき性質のものであり、それにもかかわらず常時監視下に置いたことは、原告のプライバシーと尊厳を不当に侵害するものです」

