日常生活で気をつけるべきポイント
編集部
食事や運動以外で、リバウンド予防のために日常でできる対策はありますか?
中島先生
十分な睡眠をとる工夫です。睡眠不足が続くと食欲を増進させるホルモンが増え、反対に満腹を感じやすくする働きが弱まる傾向にあります。その結果、甘いものや高カロリーの食品を欲しやすくなります。リバウンド予防というと食事と運動ばかりに目が向きがちですが、十分な睡眠をとる意識も体重管理には不可欠です。
編集部
ストレスはリバウンドに影響しますか?
中島先生
大きく影響します。ストレスが強いと食欲が乱れやすくなり、甘いものや脂っこいものに手が伸びやすくなります。そうした悪習慣が積み重なり、リバウンドが始まるケースは少なくありません。ストレスをためないよう、散歩、入浴、趣味の時間、深呼吸、誰かに話すなど、自分なりの気分転換を用意しておくとよいでしょう。
編集部
肥満治療を行う外来の卒業後でも、医療機関に相談したほうがよい場合はありますか?
中島先生
はい、あります。たとえば短期間で体重が増加した、食欲のコントロールが難しい、自己流では修正できない、生活習慣が大きく乱れてきたといった場合は、早めに相談してください。また、リバウンドに甲状腺疾患や更年期、睡眠障害、メンタルの不調などが関係しているケースもあります。必要に応じて医療の力を借りながら、長く体重を維持していく視点を持つ姿勢が、健康的な体づくりにつながります。
編集部
最後に、メディカルドック読者へのメッセージをお願いします。
中島先生
さまざまな考え方があるものの、私は肥満治療を行う外来に「完全な卒業」は基本的にないと考えています。体重管理の成否は、誰かに見てもらっているかどうかで大きく変わりやすいと考えるからです。しかし、誰もが長く肥満治療を行う外来に通い続けられるわけではないからこそ、最終的には自分で体重や食事、活動量を確認し続ける「セルフモニタリング」の意識が非常に大切です。外来はゴールではなく、自己管理能力を身につけるための支えだと捉えてください。
編集部まとめ
ダイエットは「一度痩せたら終わり」ではなく、継続する仕組みづくりが重要です。肥満治療を行う外来で学んだ内容を、自分で続けられる習慣に変えていく取り組みが、リバウンドを防ぐ鍵となります。体重や生活をこまめに振り返る意識を持ちましょう。

