【山種美術館】全種類食べたい…!日本画から生まれた和菓子で心を緩める

美術館とカフェで心を緩める1日を過ごしたいなら、絶対におすすめなのが東京・広尾にある山種美術館です。日本画専門の美術館として横山大観や上村松園、川合玉堂などの優品を展示するとともに、エントランスに隣接する「Cafe椿」では特製の和菓子や洋菓子などを提供しています。

今回は、【開館60周年記念特別展1】『川合玉堂 ―なつかしい日本の情景―』を開催中の山種美術館にお伺いし、展覧会とオリジナル和菓子を堪能してきました。

山種美術館とは?広尾に佇む日本画専門美術館

『川合玉堂 ―なつかしい日本の情景―』展示風景『川合玉堂 ―なつかしい日本の情景―』展示風景

山種美術館は日本初の日本画専門美術館として、1966年、東京・日本橋兜町に開館しました。良質な日本画コレクションを誇り、2009年に広尾に移転してから今に至るまでも、多くの美術好きを魅了しています。

2026年は開館60周年を迎える記念の年。これを記念した特別展の第1弾として、日本画家・川合玉堂(1873-1957)の画業を振り返る展覧会『川合玉堂 ―なつかしい日本の情景―』が、7月26日まで開催されています。

『川合玉堂 ―なつかしい日本の情景―』展示風景『川合玉堂 ―なつかしい日本の情景―』展示風景

同館創立者の山﨑種二(1893-1983)さんは、多くの画家と交流しながら作品を蒐集していました。玉堂とは自邸を訪れるほど交流を深め、71点もの蒐集作品は同館のコレクションでも重要な位置を占めています。

日本の山河を愛した玉堂は、四季折々の自然や田園風景、そこに暮らす人々を情感豊かに描きました。小さく描かれた人や動物の表情や仕草は飾り気がなく、まったりしつつも生き生きしており、玉堂の穏やかな人柄や視線が表れているように感じます。

日本画を食べる?「Cafe椿」で展覧会に合わせた和菓子をいただく

山種美術館1階にある「Cafe椿」では、特製の和菓子や洋菓子、オリジナルメニューなどをいただけます。和菓子は、青山の老舗菓匠「菊家」に特別にオーダーしているもの。展覧会の出品作品をイメージしており、展覧会ごとにラインナップが変わります。

取材時は『川合玉堂 ―なつかしい日本の情景―』に合わせたオリジナル和菓子が5種類登場していました。どれもほっこりと可愛らしく、玉堂の目を通した自然を思わせます。

《山雨一過》と「雨後の風」

雨後の風雨後の風

せっかくなので、1つ1つ日本画と和菓子を画像で紹介しますね。まずは試食させていただいた「雨後の風」から。

胡麻入りこしあんを葉で包んだような「雨後の風」は、玉堂の《山雨一過》をイメージした和菓子。甘すぎず淡白すぎず、一口頬張れば胡麻の香りがふわりと鼻に抜け、上品な味わいが広がります。

川合玉堂《山雨一過》1943(昭和18)年 山種美術館川合玉堂《山雨一過》1943(昭和18)年 山種美術館

《山雨一過》は、雨後の晴れ渡った空のもと、強い風が木々を大きく揺らす場面を描いた絵画。小さく描かれた人と馬も風を受けて、衣服や毛をなびかせながら前進しています。

「雨後の風」は本作の爽やかな緑色を象徴する彩りで、葉っぱの形も可愛らしい逸品です。胡麻入りこしあんの優しい甘さに、玉堂が自然に向けた穏やかな感性が重なるように思いました。

《早乙女》と「田植え歌」

左:川合玉堂《早乙女》1945(昭和20)年 山種美術館、右:田植え歌左:川合玉堂《早乙女》1945(昭和20)年 山種美術館、右:田植え歌

本展でも重要な位置を占める《早乙女》は、戦時中とは思えないほど穏やかな雰囲気をたたえる作品です。本作をイメージした「田植え歌」は、初夏の田植え風景を茶巾絞りの練切りで表した和菓子。ちょんちょんと伸びる苗がチャーミングで、見た目にも癒されます。

《石楠花》と「山に咲く花」

左:川合玉堂《石楠花》1930(昭和5)年 山種美術館、右:山に咲く花左:川合玉堂《石楠花》1930(昭和5)年 山種美術館、右:山に咲く花

玉堂が雪山をバックに咲く石楠花(しゃくなげ)を描いた《石楠花》。本作をイメージした和菓子「山に咲く花」は、上品なピンク色が印象的なきんとんです。中には、上質な黒糖を使った大島あんが入っています。

《荒海》と「しらなみ」

左:川合玉堂《荒海》1944(昭和19)年 山種美術館、右:しらなみ左:川合玉堂《荒海》1944(昭和19)年 山種美術館、右:しらなみ

《荒海》は、砕ける荒波とびくともしない岩を描いた躍動感のある作品。戦況が悪化した頃に描かれたそうで、玉堂の心中も表れているのかもしれません。そんな絵画をイメージした「しらなみ」にも、波しぶきと小豆で表現された巌が。菊家特製のこしあん入りの和菓子です。

《遠雷麦秋》と「雨きたる」

左:川合玉堂《遠雷麦秋》1952(昭和27)年 山種美術館、右:雨きたる左:川合玉堂《遠雷麦秋》1952(昭和27)年 山種美術館、右:雨きたる

麦の借り入れに精を出す人々を風景とともに描いた《遠雷麦秋》。本作をイメージした和菓子「雨きたる」も、黄金色の麦や黄緑色の草木が目を引きます。絵画は雷の到来を予感させますが、こしあんが入ったシナモン風味の練切りは、ほっこりした気持ちでいただけます。

配信元: イロハニアート

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