「大動脈解離」を予防するのは”禁酒”と”禁煙”どちらか?検査と治療法も医師が解説!

「大動脈解離」を予防するのは”禁酒”と”禁煙”どちらか?検査と治療法も医師が解説!

大動脈解離の治療法

大動脈解離の治療は、解離の型(Stanford A/B)と病態、合併症の有無によって異なります。基本的には、「A型」は緊急手術の対象となることが多く、「B型」や偽腔が閉塞した型では内科的治療が選択されることがあります。

人工血管置換術

上行大動脈に解離が及ぶStanford A型では、心臓の周囲に出血して心臓を圧迫したり(心タンポナーデ)、上行大動脈の側にある大動脈弁に障害を与えたり(大動脈弁逆流)、冠動脈を閉鎖(心筋梗塞)することで、命を救えないケースが多くあります。そのため、多くの患者さんは緊急手術の対象となります。
この手術は「人工血管置換術」と呼ばれ、解離した大動脈の部分を切除し、人工血管で置き換える方法です。置き換える部位に応じて、「上行置換術」「弓部置換術」「下行置換術」などと呼ばれます。手術中には、体温を下げて全身の血液循環を一時的に止める「循環停止」と呼ばれる操作を行います。

ステントグラフト内挿術(TEVAR)

TEVARは、カテーテルと呼ばれる細い管を足の付け根や腕の血管から挿入し、「ステントグラフト」(ステントといわれるバネ状の金属を取り付けた人工血管)を大動脈の内側に留置する治療法です。主にStanford B型で実施する機会が多いです。この方法は胸やお腹を大きく切開する必要がなく、人工血管置換に比べて体の負担も軽く、術後の回復が早いのが特徴です。特に高齢の方や他の病気があって開胸手術が難しい方に適しています。

内科的治療(保存療法)

Stanford B型大動脈解離で、破裂や臓器への血流障害がない場合には、痛みのコントロールと厳格な血圧や脈拍の管理を行います。これにより大動脈への負担を減らし、症状の悪化や再発を防ぎます。しかし、血流の低下による腹痛や足の痛みなどの症状が見られた場合は、緊急手術が必要になることもあります。

大動脈解離を予防する方法

食事の工夫や日々の過ごし方を見直すことも、大動脈解離の予防には欠かせません。

減塩とバランスのよい食生活

外食や加工食品が多い食事は塩分過多になりやすく、高血圧を引き起こす原因になります。自炊を中心に、野菜や魚を取り入れた減塩食を心がけることで、血管への負担を軽減できます。

適度な有酸素運動

運動不足は高血圧や動脈硬化進行の原因となります。ウォーキングや軽いジョギング、水泳などの有酸素運動を、無理のない範囲で日常に取り入れましょう。1日20〜30分、週3〜5を目安に続けるのが効果的です。

禁煙とストレス管理

喫煙は大動脈解離の直接的な原因ではないものの、大動脈瘤の発症や動脈硬化進行のリスク因子であり、結果的に発症の引き金となる可能性があります。ニコチンは血管を収縮させ、血圧や心拍数を上昇させるため、禁煙は予防において重要です。また、慢性的なストレスや睡眠不足も血圧を不安定にするため、深呼吸・入浴・趣味の時間などで自律神経を整える習慣を意識しましょう。

配信元: Medical DOC

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