安堵する父・本木雅弘
本作第5話で、ガス人間になる前のレンが登場する。物語のキーとなる少女が、強制労働施設から逃げてくるのだが、たどり着いたのがレンが常連のラーメン屋だった。少女がお腹をすかせていることに気づくレンは、店内に招き入れようとする。少女の警戒を解こうとする彼は、路上の石を拾っておにぎりにみたてる。そのとき、レンがおもむろに「おぉ!」と言って石を拾い上げる間合いがいい。
引きの画面。ワンショットを持続させるように、印象的な母音を響かせたUTAにカメラが寄る。今度はローアングルのアップで、「うーん」とキュートな母音を発する。
UTAはこうした初々しい母音の発し方がきらめかせる。そこには、彼のデビュー演技が産声を上げる瞬間に立ち会っているかのような手触りがある。
ラーメン屋の店主役を演じる松崎悠希は、UTAの演技コーチでもある。12歳でスイスに留学し、異国的雰囲気を醸すUTAが、こうして東宝の歴史的資源のリブート作で産声を上げた。
『黒牢城』の宣伝で出演した『A-Studio +』で、父・本木雅弘は「同業者」になった息子を心配する様子だったが、が何とか俳優デビューにこぎ着けたことに安堵していた。
<文/加賀谷健>
【加賀谷健】
イケメン研究家 / (株)KKミュージック取締役
“イケメン研究家”として大学時代からイケメン俳優に関するコラムを多くの媒体で執筆。アーティストマネジメント、ダイナマイトボートレース等のCM作品やコンサートでのクラシック音楽監修、大手ディベロッパーの映像キャスティング・演出、アジア映画宣伝プロデュースを手掛ける。他に、LDHアーティストのオフィシャルレポート担当や特典映像の聞き手など。日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。
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