GIST(消化管間質腫瘍)ができる原因やできやすい部位はどのようなものでしょうか。メディカルドック監修医が解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「GIST(消化管間質腫瘍)」って「がん」なの?症状や原因も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
和田 蔵人(わだ内科・胃と腸クリニック)
佐賀大学医学部卒業。南海医療センター消化器内科部長、大分市医師会立アルメイダ病院内視鏡センター長兼消化器内科部長などを歴任後の2023年、大分県大分市に「わだ内科・胃と腸クリニック」開業。地域医療に従事しながら、医療関連の記事の執筆や監修などを行なっている。医学博士。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会肝臓専門医、日本医師会認定産業医の資格を有する。
「GIST(消化管間質腫瘍)」とは?
GISTとはGastrointestinal Stromal Tumorの略で消化管間質腫瘍と呼ばれ、胃や腸などの消化管粘膜の下にできる悪性腫瘍の一種です。通常の胃がんや大腸がんなどは粘膜から発生します。しかし、GISTは通常のがんと異なり、消化管の壁の筋肉の中にある、カハール介在細胞が異常に増殖して腫瘍となったものです。
50〜60歳代が好発年齢ですが、年間10万人に1人程度と非常に珍しいがんです。
症状が出づらいこともあり、なかなか診断がつきづらいことも多く、注意しなければなりません。貧血や腹痛、吐き気などの症状が続く場合には消化器内科で相談をしましょう。
GIST(消化管間質腫瘍)ができる原因
タンパク質の変異
消化管壁の筋層にあるカハール介在細胞が異常に増殖したものがGISTです。カハール介在細胞はKITというタンパク質を持っています。これらのタンパク質が変異を起こし、異常に増殖して、腫瘍となります。
このタンパク質の異常の原因は、「c-kit遺伝子の突然変異」であると報告されています。この遺伝子異常によるタンパク質の変異がGISTの原因です。しかし、この遺伝子変異の原因はいまだに分かっていません。GISTでは75〜85%にc-kit遺伝子変異がみられると報告されています。
遺伝
c-kit遺伝子の変異が原因となっている多発性GISTの家系が今までに30以上報告されています。このような家系の方では、GISTが多発するため注意が必要です。
神経線維腫症1型
神経線維腫症1型(レックリングハウゼン病)はカフェ・オ・レ斑、神経線維腫という皮膚・皮下の病変を特徴とする遺伝性の病気です。この神経線維腫症1型の患者の一部にGISTを合併することが報告されています。主に小腸にGISTが多発すると言われていますが、胃に発生することもあります。神経線維腫症1型の患者さんでは、GISTの合併が無いか、気を付けましょう。
Carney-Stratakis症候群、Carney triad
遺伝性のCarney-Stratakis症候群と非遺伝性のCarney triadでは、SDHBたんぱくの発現欠失を示す胃に限局するGISTがみられます。これらの病気を持つ方は、GISTの合併に注意が必要です。

