女優の見上愛が一ノ瀬りん、上坂樹里が大家直美という2人のヒロインを演じるNHK連続テレビ小説「風、薫る」(総合)の第17週「脈動」(第81~85回)が20日から始まる。第16週「新風吹くころ」では、看護婦としての道を離れた、りんが新潟で新たな人生を歩み始める一方、東京では直美が「瑞穂屋」の店員・柳川文(内田慈)との距離を縮め、長年の謎だった出生の秘密に直結する重要な伏線が張られた。物語は「親子」「家族」というテーマを軸に大きく動き出し、第17週では、その核心がいよいよ明かされることになりそうだ。
朝ドラ「風、薫る」第17週「脈動」(第81~85回)ポイント
最大の焦点は、直美が幼い頃から探し続けてきた「母・夕凪」の正体。第16週のラストで判明した、お守りと同じ柄の髪紐という決定的な伏線がどのように回収されるのかが見どころになる。さらに、生き別れた親子がどうして離れ離れになったのか、文が過去を隠し続ける理由、そして直美が長年抱えてきた「捨てられた子」という心の傷がどう癒やされていくのかも大きな注目ポイントとなる。
【以下、見所】
直美は、自分のお守りと同じ柄の髪飾りを持つ文が自分の母親なのではないかと疑い始める。そんなある日、元気のない直美が気になったりんの娘・環(英茉)が、新潟にいる母に手紙を書く。
朝ドラ「風、薫る」第16週「新風吹くころ」ストーリー展開【振り返り】
りんと直美がそれぞれ新たな環境で「親子」「家族」と向き合う転換の週となった第16週。りんは環と離れて新潟で舎監として新しい人生を歩み始め、寮生の長見久(近藤華)と母サワ(磯山さやか)のすれ違いを通して自身も母としての葛藤を深める。直美は、病に倒れた文を献身的に看病するなかで少しずつ心を通わせ、出生の秘密へつながる決定的な手掛かりを手にした。最終盤では、お守りと同じ柄の髪紐が見つかり、物語は放送開始以来最大級の謎へと踏み込む形で幕を閉じた。
【以下、ネタバレ】
看護婦として限界を迎えたりんは、直美から「看護婦、辞めな」と告げられ、大山捨松(多部未華子)から新潟・上越の女学校の舎監となる仕事を紹介される。悩むりんに、直美は「家族って、大事な時こそ頼るもんじゃないの?」と涙ながらに訴え、りんが留守の間、自分が環の「2人目のお母さん」になると宣言。母・美津(水野美紀)にも背中を押され、りんは新潟行きを決意する。りんを思う「シマケン」こと島田健次郎(Aぇ! group・佐野晶哉)は環の「おじさん」になると約束した。
新潟では洋髪を珍しがられ、生徒たちから家族と離れて暮らす境遇を「かうぇーそ(かわいそう)」と言われるなど、慣れない土地での日々が始まる。一方、東京では直美が軍人・小川吾郎(甲斐翔真)から「2人目のお母さんだって、結婚は、出来ますよね?」と突然思いを打ち明けられる。戸惑いながらも、「ここは職場なので。前に教えた団子屋なら…」と返すと、小川は笑顔を見せた。
半年後、上越での暮らしに慣れたりんは、新聞記者・横沢公輔(井上祐貴)と出会う。民権運動を追う横沢は、「正しい社会とはなんですか?」と問いかけるりんに興味を抱き、「あなたのこと、大いに気に入りました。また会いましょう」と笑って握手を求めた。
東京では、美津が働く「瑞穂屋」で店員の文が体調を崩し、直美が看病する。文は金がかかると受診を拒むが、直美は「病人がお金のせいで治療を受けないのを見るのはもう嫌なんです」と医師を呼ぶ。胃炎と診断された文は「タダより高いものはない」と治療費を握らせ、「借金があるし、長生きしたいとも思いません」と身の上を明かす。直美が、本当に何も望みはないのかと尋ねると、文は「早く1人でゆっくり寝たい」と天邪鬼な冗談を口にし、2人は笑い合った。
後日、りんのもとへ東京から手紙が届く。その直後、町で出会った女性(磯山)が寮を訪れ、寮生の久が「お母さま!」と駆け寄る。女性はサワといい、久の母。りんは面会申請のないサワを特別に久に会わせた。その間、りんは、環から届いた手紙を読んで娘の成長を喜ぶ。一方、直美の手紙には、文が腹痛で仕事を休むようになり、自分が「押しかけ看護」を続けていることがつづられていた。
直美は文に教わった通り牛乳粥を作り、自らが横浜・山手の教会に捨てられた孤児であることを打ち明ける。文は「真っ直ぐ…ひねくれてる」と直美を評し、「こんな風に、誰かに看病してもらったの、故郷にいたころ以来です」と静かに語った。
一方、サワは夫に無断で家を飛び出してきたことが判明。りんは校長・望月勘治(関智一)の目を盗んで舎監部屋に匿うが、サワから「そんげちーせ子を置いておひとりで?」と言われ、環と離れて暮らす自分の胸を突かれる。さらにサワは、嫁ぎ先では実母の看病すら許されず、ようやく病院へ連れて行けた時には手遅れだったと悔いを語りるが、久がいたから耐えることができたと明かす。久は「私のせいにすんなて!」「私、お母さんみてになりとねえ」と拒絶。娘の言葉に打ちのめされたサワは、家へ戻る決意を固めた。
その頃、文の長屋を訪ねた直美は、眠る文の枕元に落ちていた髪紐を手に取る。裏地を見た直美は息をのむ。その柄は、自分が赤ん坊の頃から出生の証として肌身離さず持っていたお守りと、まったく同じだった。文の正体、そして直美の出生の秘密が、一枚の布をきっかけに大きく動き始めた。

