
宿泊訓練が楽しみで、何度も荷物を触る息子(べっこうあめアマミさん作)(べっこうあめアマミさん作)
【画像】知らなかった…これが「発達障害児」にみられる行動です(5つ)
「べっこうあめアマミ」というペンネームでライターとして活動する私は、重度知的障害を伴う自閉症の11歳の息子と、きょうだい児である娘を育てながら、発達障害や障害児育児について発信を続けています。
特別支援学校に通う息子が、この春小学6年生になりました。そして6年生最大の行事の一つとも言える「宿泊訓練」の時期がやってきました。重い障害があり、発語がなく、身辺の自立も完全にはできていない息子の宿泊行事となると、親としては不安も大きく、ドキドキ…。今回は、息子が参加した宿泊訓練を通して感じたことをお伝えします。
宿泊先の名前を聞くだけでソワソワしていた息子
息子が通う特別支援学校では、毎年6年生になると1泊2日の宿泊訓練があります。これは宿泊施設に泊まり、友だちや先生と一緒に活動する行事です。
発語がない息子は、自分の気持ちを言葉で伝えることができません。何を考えているのか分かりにくいことも多いのですが、今回は違いました。
学校で宿泊先の名前を聞くと、サッと動いたり、注目したりすることが増えたそうです。
毎日の連絡帳では先生からも、とても楽しみにしている様子を教えていただき、息子が宿泊訓練を心待ちにしていることを知りました。
普通の学校でもこういった行事の際は事前学習があると思いますが、特別支援学校の事前学習は、特に念入りです。
まず、宿泊訓練に備えて、学校ではみんなで体を洗ってお風呂に入る授業がありました。
そして、宿泊行事の際は、当日に荷物を持っていくのが一般的だと思います。しかし息子の学校では、宿泊訓練用の荷物は事前に学校へ持参し、授業の中で先生やクラスメートと一緒に確認したそうです。
大きな旅行バッグを前にした息子は、何度もバッグを触っていたといいます。きっと息子なりに、特別なイベントが近づいていることを感じていたのでしょう。そんな話を聞いているだけで、親としてもうれしくなりました。
1泊2日とは思えない荷物の量
ただ、宿泊訓練当日までの準備は親としてはけっこう大変でした。まず行われたのが説明会です。
健康調査票や薬の依頼書など提出書類も多く、さらに宿泊訓練の一週間前からは毎日の健康チェックが必要でした。
そして驚いたのが荷物の量。大きな旅行バッグと小さなリュック。それぞれに入れる物が細かく指定されていました。
【用途ごとに小分け指定されたセット】
・お風呂用セット
・寝る時用セット
・食事用セット
・着替え一式
用途ごとに分けられたポーチには、大きく名前が書いてあり、指定されたものを入れます。最初は「ここまで細かく?」と思いましたが、考えてみれば、特別支援学校に通う子の多くは自分で荷物を管理することが難しいのです。
支援する先生やボランティアの方々が、誰が見ても必要な物をすぐに取り出せる状態にしておく必要がありました。学校で蓄積された、安全に行事を運営するための工夫とノウハウが、生きているのでしょう。
息子の場合は指定のものよりさらに荷物が増えます。夜間用のオムツ、おねしょシーツ、防水ズボン、予備の着替え…。
息子は今でも昼夜ともに排せつを失敗することがあります。また、食べた物を吐き戻してしまったり、唾遊びをして服をぬらしたりすることも多いです。
そのため、着替えは多めに準備しました。
そうして完成した荷物を見たとき、私は思わず笑ってしまいました。1泊2日とは思えない量だったからです。
実際、荷物をまとめた後の息子の洋服ダンスは、かなりスカスカになっていました。

宿泊訓練から帰り、疲れたのかすぐに眠ってしまった息子(べっこうあめアマミさん作)
