認知症リスクを下げる食べ物とは?
本書から避けるべき食べ物を紹介してきましたが、対照的に認知症予防に効果的なのが、「食物繊維」を含む食べ物です。アメリカで行われた疫学調査では、食物繊維の摂取が足りていない人はアルツハイマーを始めとする認知症を発症する危険性が高いことが報告されました。
さらに、食物繊維は認知症の発症予防にも効果があることがわかってきたといいます。食物繊維が腸内細菌の力で発酵されると、酪酸などの短鎖脂肪酸が生み出されます。この短鎖脂肪酸は脳の中に入り込むことができ、記憶を司る海馬において、神経細胞の新生を促すことがわかってきたそうです。
食物繊維の中でも、注目すべきがワカメや昆布などの海藻類や、大豆、こんにゃくなどに多く含まれている水溶性食物繊維。3000人を対象に行われた筑波大学の調査によると、水溶性食物繊維を多く食べていた人は、そうでない人と比べて認知症になるリスクが3/4まで低下したといいます。
水溶性食物繊維には、食べたものに含まれる糖の吸収を阻害し、緩やかにすることで急激な血糖値の上昇を抑える効果も期待できると下村さん。余計なインスリンを使わないで済むため、インスリン抵抗性のリセットにも効果的です。
水溶性食物繊維たっぷり!おすすめレシピ今回は、クックパッドに投稿されている、水溶性食物繊維が豊富なおすすめレシピをご紹介します。
▼パック活用でお手軽!めかぶの冷奴血糖値上昇を緩やかにするための最初の一品として、さらっと食べられます。大葉と茗荷の爽やかな薬味と、オクラとめかぶのネバトロたれが豆腐と相性抜群です。
▼みりんや砂糖を使わない、こんにゃく炒め
みりんや砂糖を使って煮物にすることが多いこんにゃくは酢と醤油で炒め物に。ノンオイルで調理できるのもうれしいポイント。あと一品欲しい時に覚えておくと便利です。
▼ワカメと大豆のさっぱりナムル
水溶性食物繊維が豊富なワカメと大豆を組み合わせた副菜です。水煮大豆を活用すれば時短に。フライパンでさっと炒めるだけで完成します。

「悪者になりがちな糖ですが、極端な糖質制限は禁物」と下村さん。脳に糖がきちんと供給されないとパフォーマンスが低下してしまうので、脳に適切なエネルギーを供給するためにも、糖の摂取は欠かさないよう上手に付き合っていきたいものですね。これを機に、日々の食べ方を少しずつ見直してみましょう。
本書が一貫して伝えているのは、糖との付き合い方を見直すことは、決して難しいことではないという姿勢です。食事の時間を決める、日々の食事の順番を少し変えるなど、そうした小さな積み重ねが、将来の「冴えた頭」や健康につながっていくのかもしれません。
本書では、脳が糖によって毒されるメカニズムや、脳を正常に保つために効果的な運動法なども詳しく解説されています。現在、Amazonで売れ筋ランキング1位(2026年7月7日時点、治療・薬物療法カテゴリ)を獲得中!気になる方はぜひ手に取ってみてくださいね。
著者紹介下村健寿(しもむら・けんじゅ)
福島県立医科大学卒。同大副理事、医学部病態制御薬理医学講座主任教授。現役内科医でもある基礎医学研究者。日本糖尿病学会東北支部学術評議員。日本内科学会認定内科医。医学博士。群馬県前橋市出身。2004年、日本で働いていた大学医学部から、英国オックスフォード大学への就職を試み、執念の就職活動を実らせて成功。オックスフォード大学正式研究員として、世界を代表する生理学者フランセス・アッシュクロフト教授の薫陶を8年間受けた。その間、新生児糖尿病治療法の発見という世界的快挙に貢献。新生児糖尿病の最重症型であるDEND症候群の脳神経症状治療有効例を報告した論文は米国神経学会誌「Neurology」よりEditorial論文に選出された。貢献を認められて2006年と2010年にオックスフォード大学メリット賞を2度受賞。日本帰国後は、新生児糖尿病に加えて肥満・2型糖尿病などの生活習慣病について、インスリン分泌や脳機能の観点から研究している。英文原著論文多数(本書初版発売時点において発表した英文論文数は134本)。研究成果の還元に熱心に取り組む。近年は糖尿病が認知症の発症に深く関与していることが確認されており、その流れを受け、脳や認知機能の研究にも取り組んでいる。
書籍情報「糖毒脳 いつまでも「冴えた頭」でいるために知っておきたいこと」
著者:下村健寿
発売日:2026年4月15日
定価:1,650円
発行:ダイヤモンド社
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