●性器に電気ショック、「スパイ容疑」はでっち上げられた
女性たちによると、多くは身に覚えのない容疑を理由に拘束されたという。
「私の場合は、『スパイ容疑』でした。もちろん、私はスパイなんかじゃありませんが、ありもしない容疑をでっちあげられるのです」
スヴィトラーナさんはそう話す。
ザイツェワさんは「一人捕まえるごとに報奨金が出たのです。収容所に送れば送るほど儲かるわけです。昇進もありましたし」と語り、ユリアさんも頷いた。
収容所では、虚偽の自白を強要するため、拷問が繰り返されたという。
「連中は『タピキ』と呼ばれる旧式の野戦電話からコードをつなぎ、私たちに電気ショックを加えました」(ユリアさん)
「女性の性器に電気ショックを与えた後に、のうのうと家に帰って自分の妻に『愛しているよ』などと、連中はどうして言えるのか。私にはまったくわかりません」(ユリアさん)
スヴィトラーナさんも、窒息させるような拷問を受けたと証言した。
「頭に袋を被せられ、息が出来ないように首のまわりをテープでぐるぐる巻きにされました。私は、袋に爪で小さな穴を空けたので、何とか息が出来たのですが」
収容所を移動するときも、苦痛を与え続けられたという。
「取り調べなどで収容所内を移動する際には、いつも、看守に首をへし折らんばかりの力で掴まれ、頭を下げさせられます。両手に手錠をかけられ、後ろに捩じ上げる『ラーストチカ』(ツバメ)という体勢をとらせられました。これは非常に苦しいのですが、そうしなければ、その場で床に叩きつけられ、激しく蹴りつけられました」
●「お母さんを返して」娘の泣き声を繰り返し聞かされた

拷問は、身体を傷つけるものだけではなかった。
スヴィトラーナさんは、幼い娘の声を利用した精神的な拷問を受けたと語る。
「連中は、私の幼い娘が『お母さんを返して』と泣き叫ぶ声を録音していました。それを繰り返し聞かされ、精神が崩壊する寸前まで追い詰められました」
同様の手口は、ほかの女性たちにも使われたという。
ユリアさんも「一緒に捕まった私の夫が激しく殴られ絶叫しているのを直に聞かされました。愛する人が痛めつけられているのを聞かされる、それ自体が拷問です」とため息をついた。

