見えなかった彼の本音
その後、何度かメッセージを送り、自分の気持ちを伝えました。そして、ようやく電話がつながると、彼は驚くほど穏やかな声で「恋愛観が合わないと思う。だから、一緒にいる意味はないよね」と言ったのです。
私は別れたくないと伝えましたが、彼の気持ちは変わりませんでした。昨日まで穏やかにほほ笑んでいた彼は、何を考えていたのだろう……。そう思うと、悲しさと戸惑いが一気にこみ上げてきました。
気づけば私は、「昨日のうちに言ってくれたらよかったのに! 何を考えているのかわからないよ」と、感情的に言ってしまいました。すると彼は淡々と、「友だちに戻るだけでしょ? 何か大きく変わる?」と返してきたのです。
彼の言う通り、その後も連絡をすれば、これまでと同じように返信はありました。表面上は、大きく変わっていないようにも見えます。けれど、恋人ではなくなったのにあいまいな距離感が続く関係は、私にとって苦しいものでした。近くにいるようで、心は離れているように感じるのです。
彼を理解しているつもりで、実際には、彼の本心に気づけていなかったのかもしれないと、今では思います。彼との別れは、次の恋愛に進むことをためらうほど、私にとって大きな出来事でした。
この経験から、穏やかさだけでは見えない相手の本音や価値観にも、目を向けるようになりました。
著者:榊原愛七/30代女性・1児の母。看護師・カウンセラー兼、恋愛エピソードを執筆するライター。
イラスト:はせがわじゅん
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月)
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