
占いがメンタルの維持や向上に役立つ理由とは?(画像はイメージ)
【画像】「えっ…」 これがストレスがたまっているときに“食べてはいけない料理”です!
「占いなんて迷信だ」「非科学的だ」と切り捨ててしまう人は少なくありません。しかし、評論家の真鍋厚さんによると、先行きが見通せない現代社会において、占いを上手に活用することは、実はメンタルの維持や向上に役立つ「優れたセルフケア」だといいます。
真鍋さんが、心理学や脳科学、さらには現代医療におけるプラシーボ効果の知見を交え、占いがストレスをコントロールする極めて合理的な選択である理由を解説します。
占いや願掛けがストレスをコントロール?
「また占い行ったの? 現実を見なよ(笑)」
もし、そんなふうにパートナーや友人に笑われたことがあっても、どうか落ち込まないでください。むしろ心の中で「私は今、最新のメンタルハック中だから」とつぶやいてほしいのです。
キャリア、家庭、そして将来のあれこれ。私たちは、物価高などによる経済的な不安だけでなく、AIをはじめとした最新テクノロジーと仕事への影響など、未来に対する不透明感が広がる中で、毎日が「正解のない選択」の連続にさらされています。
そんな現代において、今もなお、占いは、女性を中心に高い関心を集めています。占いだけではありません。例えば、「東京のお伊勢さま」として親しまれる
「東京大神宮(東京都千代田区)」は、縁結びに絶大なご利益があるといわれ、若い女性の参拝者が絶えません。
同宮の「恋みくじ」で大吉を引くと3カ月以内に恋人ができるというジンクスがあることはよく知られています。こういった真偽不明の話題は、世間からは時に「迷信」「非科学的」「スピリチュアル」と決めつけられてしまうことが多く、バカにされることも珍しくありません。
しかし、現代の心理学や脳科学のレンズを通してのぞいてみると、まったく違う景色が見えてきます。実は占いや、神仏や霊的な存在に対して願い事がかなうように祈る「願掛け」を上手に使っている人は、脳の仕組みを利用してストレスをコントロールする「極めて合理的な選択」をしているのです。
では、そのメカニズムについて詳しく見ていきましょう。
「幸運のボール」と伝えてゴルフをさせた結果…
まず、占いや願掛けの心理的効果を語る上で外せないのが、幸運のお守りや言葉が実際のパフォーマンスをどう変えるかを検証した、心理学者リサーン・ダミッシュらによる実験です(※1)。
被験者にゴルフのパッティングをさせる際、「これは幸運のボールです」と伝えて打たせたグループは、何も言われなかったグループよりも明らかに成功率が高くなりました。また、自分自身のお守りを持参することを許された被験者は、その後の困難なパズルタスクに対して、より長く粘り強く取り組んだことが分かっています。
これは、お守りや願掛けが「自己効力感(Self-efficacy:自分ならできるという期待感)」を高め、本番の不安を和らげて本来の実力を発揮させるという、心理的プラシーボ効果の典型例といえます。
プラシーボ効果とは、薬効成分のない偽薬(プラセボ)を服用したにもかかわらず、「症状が良くなる」という期待や暗示によって、実際に病状の改善や痛みの軽減などの身体的変化がみられる現象を指します。
この実験では、お守りなどを通じて幸運に関連する迷信を活性化することによって、それが単なる迷信=偽薬(プラセボ)というレベルを超えて、参加者に「課題をこなせる」という心理的な安心感を生み、パフォーマンスの向上につながったことを示しています。
プラシーボ研究の権威であるハーバード大学医学部のテッド・カプチャックらは、占いや願掛けのベースにある「儀式」そのものが持つ生物学的効果を研究しています。
カプチャックらは、ナバホ族の伝統的な治癒儀式や現代医学の臨床試験を比較分析した研究などから、プラシーボ効果とは、単なる「偽の薬の効果」ではなく、「治療に伴う儀式の特異的効果」であると提唱しました(※2)。
