糖尿病性腎症の診断基準についてよくある質問

糖尿病と診断されたら、いつから腎症の検査を始めるべきですか?
腎症の検査は糖尿病と診断した時点から始めます。特に2型糖尿病は、診断される前から高血糖の状態が続いていた可能性があり、診断時にすでに腎臓へ影響が出ている場合があります。そのため、症状の有無にかかわらず、尿アルブミンとeGFRを確認することがすすめられます。初回の検査で異常がなくても、糖尿病がある限り定期的な確認を続けます。腎機能が安定していて自覚症状がない場合でも、少なくとも年1回は尿アルブミンとeGFRを測定します。病期や数値の変化によっては、3〜6ヶ月に1回以上の頻度で確認することがあります。
尿アルブミンの数値が高めだった場合はどのような対応が必要ですか?
尿アルブミンが30mg/gCr以上となり、微量アルブミン尿が確認された場合は、腎症の進行を抑えるために治療や生活習慣を見直します。まず、血糖や血圧、脂質などを総合的に管理します。血圧については、目標を130/80mmHg未満に設定し、状態に応じてレニン・アンジオテンシン系阻害薬(RA系阻害薬)が使われることがあります。
代表的な薬は、アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)やアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)です。これらの薬は、血圧を下げるだけでなく、アルブミン尿を抑える目的でも用いられます。
また、ナトリウム・グルコース共輸送体2阻害薬(SGLT2阻害薬)は、血糖を下げる作用に加えて、腎機能低下の進行を抑える薬として使われています。
生活面においては、1日6g未満の減塩や禁煙、体重管理、無理のない運動を意識します。尿アルブミンの上昇を指摘された場合は、主治医と相談しながら治療内容を確認しましょう。
編集部まとめ

糖尿病性腎症の診断は、尿アルブミンとeGFRを中心に、糖尿病の経過、血糖や血圧の状態、糖尿病網膜症の有無などを併せて判断します。初期には自覚症状が乏しいため、症状がないことだけで腎臓に問題がないとはいえません。尿アルブミン検査は、通常の尿蛋白検査ではみつけにくい早期の変化をとらえるために役立ちます。
糖尿病と診断された後は、血糖値だけでなく、尿アルブミンや尿蛋白、eGFRも定期的に確認しましょう。数値の異常を指摘された場合は、早めに主治医へ相談することが大切です。血糖や血圧、脂質の管理や減塩、必要な薬物療法を続けることで、腎機能低下の進行や透析導入のリスクを下げることにつながります。
参考文献
『糖尿病性腎症病期分類 2023 の策定』(日本腎臓学会)
『糖尿病診療ガイドライン2024 第9章 糖尿病性腎症』(日本糖尿病学会)
『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023』(日本腎臓学会)
- 「糖尿病性腎症」とはどんな病気?進行すると現れる症状も解説!【医師監修】
──────────── - 「インスリン」は何を下げる働きをもっている?分泌が不足しやすい人の特徴も解説!
──────────── - 「夜間頻尿は年齢のせい」と思っていませんか? 生活習慣病が潜む尿トラブルを医師が解説
────────────

