脳腫瘍の治療法
脳腫瘍の治療法は、腫瘍の種類、悪性度(グレード)、大きさ、できた場所、患者さんの年齢や全身状態など、様々な要素を考慮して、患者さん一人ひとりに合わせて決められます。
手術療法
可能であれば、手術によって腫瘍を外科的に摘出(取り除く)ことを目指します。良性腫瘍であれば、手術だけで完全に治ることも期待できます。悪性腫瘍の場合は、腫瘍をできるだけ減らすことや、病理検査で正確な診断をつけるために手術が行われます。脳腫瘍の場所や大きさなどによって、頭を開けて行う開頭手術や、内視鏡(細いカメラ)を使った手術などが行われます。
放射線療法
高エネルギーの放射線を腫瘍に照射することで、腫瘍細胞の成長を抑える治療法です。手術で腫瘍が残ってしまった場合や、再発した場合、手術が難しい場所にある腫瘍などに対して行われます。
化学療法
抗癌剤(こうがんざい:癌細胞の増殖を抑える薬)の飲み薬や点滴を使って、全身の腫瘍細胞の成長を抑える治療法です。悪性度の高い脳腫瘍に対しては、手術や放射線療法と組み合わせて行われることが多いです。
分子標的治療
癌細胞が持つ特定の分子を目印として、その分子だけを攻撃する薬を使う治療法です。近年、一部の脳腫瘍に対して効果が示されています。
「脳腫瘍の余命」についてよくある質問
ここまで脳腫瘍の余命などを紹介しました。ここでは「脳腫瘍の余命」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
脳腫瘍を発症すると何年生きられるのでしょうか?
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
脳腫瘍と診断された場合の生存期間は、腫瘍の種類、悪性度(グレード)、発生した場所、大きさ、どのような治療を行ったか、そして患者さん自身の年齢や全身状態など、本当に多くの要因によって大きく異なります。良性腫瘍であるグレードIの腫瘍で、手術で完全に摘出できた場合は、一般的には健康な人と変わらないくらいの寿命が期待できます。一方で、悪性度の高いグレードIVの膠芽腫の場合、平均生存期間は12~18ヶ月程度と報告されています。余命について、一般的な傾向をお伝えすることはできますが、正確な予測は非常に難しいことをご理解ください。最も大切なことは、担当の医師としっかりとコミュニケーションを取り、治療方針について十分に理解し、前向きに治療に取り組むことです。
脳腫瘍は完治するのでしょうか?
村上 友太(むらかみ ゆうた)医師
脳腫瘍の種類や悪性度によって、完全に治る可能性は大きく異なります。良性腫瘍であるグレードIの髄膜腫や神経鞘腫などで、手術で完全に摘出できた場合は、再発のリスクは低く、完治に近い状態を目指せる場合があります。しかし、悪性腫瘍であるグレードIIIやIVの神経膠腫(特に膠芽腫)は、周りの脳の組織に染み込むように広がることが多く、手術で完全に摘出することが非常に難しいため、現時点では完全に治すことは難しいと言わざるを得ません。脳腫瘍の治療は、日々進歩しています。諦めずに、担当の医師とともに、ご自身にとって最善の治療法を探っていくことが大切です。

