■言葉どおりではなく、潜在的な要望まで形にする
建築家Yさんは、施主の要望をそのまま図面へ移すのではなく、いったん抽象度を上げて受け止め、さまざまな可能性をシミュレーションしたうえで、新しい提案へつなげているように感じます。
「もはやA案の家に住みたい!」との私たちの言葉の奥に、どんな空間で、どんなふうに暮らしたいのかといった潜在的な要望まで推察し、期待以上のアウトプットにする。その提案力には感動した、というのが率直な意見。
これはライフオーガナイザーの仕事にも通じますが、お客様が口にした希望をそのまま実現するだけでなく、その背景にある困りごとや価値観を読み取り、本人がまだ気づいていない選択肢を提示する。私たちも、こんな仕事がしたいと思わされました。
建築家Yさんの提案は素晴らしく、このまま突き進んでいきたいと思ったものの…。
■「コスト削減」ではなく「コスト調整」
家づくりでは、魅力的なプランであることと同じくらい、本当に予算内で実現できるのかが重要です。この段階ではまだ具体的な金額が確定していなかったため、これまでの経緯を考えると楽観はできませんでした。
昨今の物価上昇やナフサショック値上げ的なことも相まって、このプランめちゃいいけど、実際のところこれ、いくらかかるの?的な不安も同時にムクムクと湧き上がるわけです。
これまでの施工業者探しで、期待しては諦めざるを得ない、という経験を繰り返していました。そのため、予算的に厳しいかもしれないと思うと、私はこだわりまで先回りして「ここは諦めたほうがいい」と考えがちに。A案に心を奪われて「ここに住みたい!」と思う一方で、「予算的に無理なら、できるだけ早く教えてね?」と、工務店Kさんにはそれなりの圧をかけていたと思います。(苦笑)
そんな私に対して工務店Kさんは、私たちがその部分をどれだけ大切にしているかを会話から汲み取り、
「そこはこだわりが強いようですし、優先しませんか?」という考え方で、建築家Yさんへ、施工者側の意見としてほかの部分を調整する方向へ導いてくれました。
何でも削るのではなく、大切なところには費用をかけ、そのほかの部分で調整する。
現場と価格をよく知る担当者だからこそできる「コスト削減ではなく、コスト調整」という考え方が、とても心強く感じられました。
A案にひと目惚れした気持ちは、今も変わりません。
けれども対話を重ねるうちに、プラン選びは「どのデザインがいちばん好きか」だけでは決められないことが見えてきました。
私たちの要望が凝縮されていること。空間を無駄なく使えること。シンプルな外観が好みに合うこと。そして、こだわりを残しながら予算を調整できる可能性があること。
B案は、A案を諦めた結果として選んだプランではありません。建築家と工務店との対話を重ねるなかで、私たちの暮らしにより近い形へと育ったプランとなりました。
次回は、B案をベースに、私たちの暮らしに合わせて何を残し、何を変えていったのか。さらに進んだプランづくりをご紹介します。
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これから何をしたいですか?
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次回は7月29日(水)朝10時にお会いしましょう♪
日本ライフオーガナイザー協会代表理事
高原真由美
ブログ:JALO公式ブログ


