●去年の分は上乗せできるのか
去年の被害も同じ犯人だと証明され、その分も起訴されれば、「併合罪」としてまとめて処罰されます(刑法45条)。この場合は刑の上限は15年に伸び、3年を超えれば執行猶予は付きません。
仮に3年未満の刑が言い渡される場合でも、情状面で厳しい判断がされ、執行猶予がつかない可能性がさらに高まります。
●農家が梨作りをやめざるを得なくなったという結果は影響するか
今回の事件では、農家が梨を作るのをやめた、と話しているそうです。
窃盗罪の量刑で最も考慮されるのは、被害額と犯行の悪質さですが、農家が梨作りをやめざるを得なかったという事情も、一定程度は量刑に考慮されると考えられます。
農家の処罰感情は極めて高いといえるでしょう。また、これは私見ですが、梨作りをやめざるを得なかったことで、農家としては何年もかけて育てた木も、その先の暮らしも奪われています。盗まれた梨の価格200万円だけで単純に評価することはできないのではないでしょうか。
なお、先にあげた甲府地裁令和5年の事案でも、実刑判決を下すにあたって、農家の処罰感情が極めて強いことも、量刑の理由の一つとして挙げています。
小倉匡洋(弁護士ドットコムニュース編集部記者・弁護士)

