【横浜美術館】『マリー・アントワネット・スタイル』約200点でたどるフランス王妃の魅惑のスタイル

アントワネット・スタイル01ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)の展示風景 © Victoria and Albert Museum, London

そんな彼女に焦点を当てる展覧会『マリー・アントワネット・スタイル』が、横浜美術館にて開催されます。会期は8月1日(土)~11月23日(月・祝)です。

本展では、新しい様式(スタイル)を打ち立てたアントワネットの革新性や人物像を深掘り。約250年にわたるファッションやデザイン、映画などの紹介を通し、後世の人々に彼女が与えた影響にも迫ります。

本展は、ロンドンのヴィクトリア&アルバート博物館で企画された世界巡回展。横浜美術館は世界で最初の巡回先であり、国内唯一の会場となります。

見どころ①約200点の作品を通し、マリー・アントワネットの新たな一面を発見!

マリー・アントワネット・スタイル02コートドレスのマリー・アントワネット フランソワ゠ユベール・ドルーエ(画) 1773年 油彩、カンヴァス 63.5 × 52.0 cm ヴィクトリア&アルバート博物館蔵 © Victoria and Albert Museum, London

「歴史上もっともファッショナブルな王妃」とも呼ばれるマリー・アントワネット。ロココ全盛期の煌びやかな文化に欠かせない存在であり、後世に多大な影響を与えた人物ですが、反面、浪費やギャンブルにまつわるイメージもあります。

ローブ・ア・ラ・フランセーズ(フランス風ドレス) フランス製 1760年代(1770年代に加工) 絹、光沢をつけた麻 ヴィクトリア&アルバート博物館蔵 © Victoria and Albert Museum, London

「パンがなければブリオッシュを食べればいいじゃない」というのは別人の迷言ですが、税金と飢餓に苦しむ民衆に対してアントワネットが言い放ったかのように語り継がれてきたくらい、贅沢三昧というイメージは切り離せません。

マリー・アントワネット・スタイル03フラワー・ガーデン マティアス・ダーリー(作) 1777年刊行 エングレーヴィング 35.2 × 24.7 cm ヴィクトリア&アルバート博物館蔵 © Victoria and Albert Museum, London

実際のところ、当時のフランスの財政を圧迫した最たる要因は戦争で、アントワネットの使い込みはそこまでではなかったよう。本当のアントワネットはどんな人物だったのか? 今こそ見直すべきときかもしれません。

オーストリア・ハプスブルク家に生まれた彼女は、政略結婚のためわずか14歳でフランスへ嫁ぎ、18歳で王妃に即位。王の子を産まなければならないプレッシャーを受けながら、故郷から遠く離れた地で堅苦しい宮廷生活を生き抜いた、1人の人間でもあります。「浪費家」などの一言で括れるような人物ではありません。

マリー・アントワネット・スタイル映画『マリー・アントワネット』(ソフィア・コッポラ監督、2006年)より Photo: Courtesy of I WANT CANDY LLC. and Zoetrope Corp.

本展は、世界有数の博物館「ヴィクトリア&アルバート博物館」が彼女を再評価し、国際的にも注目を集めた展覧会の世界巡回展。ドレス、ジュエリー、家具調度品、絵画や版画、写真など約200点で構成され、18世紀後半から2025年まで、250年にわたる文化の展開をたどります。

マリー・アントワネット・スタイル06ヴィクトリア&アルバート博物館(ロンドン)の展示風景 © Victoria and Albert Museum, London

時代を超えて人々を魅了し続ける彼女には、いくつもの顔があったのではないでしょうか? 新たな魅力を発見できる展覧会となりそうです。

見どころ②「首飾り事件」にまつわるダイヤモンドも!?日本初公開を含む貴重な作品が集結

マリー・アントワネット・スタイル07マリー・アントワネットの肘かけ椅子(4点組の1点) ジャン゠バティスト゠クロード・スネ(作) 1788年 木(クルミ)に着彩、絹で刺繍した綿(近年の上張り) H. 97.5 × 63.5 × 63.0 cm ヴィクトリア&アルバート博物館蔵 © Victoria and Albert Museum, London

本展では、マリー・アントワネット旧蔵品やゆかりの品(10点あまり)をはじめ、小説、演劇、映画などに描かれてきた18世紀当時の文化を示す品々も多数展示されます。中でも注目したいのが、「首飾り事件」のネックレスの一部と伝わるダイヤモンドではないでしょうか?

「首飾り事件」とは、650個近くのダイヤモンドからなる豪華なネックレスにまつわる詐欺事件。もともとルイ15世(アントワネットの夫ルイ16世の祖父)が、愛人デュ・バリー夫人に贈るつもりで注文していました。

ところが完成前にルイ15世が亡くなったため、ネックレスには買い手がつかなくなってしまいました。アントワネットも購入しませんでしたが、ここに目をつけたのがラ・モット伯爵夫人です。

彼女は、王妃に気に入られたがっているロアン枢機卿に嘘を吹き込みました。「アントワネットはネックレスを欲しがっており、保証人になれば寵愛が与えられる」というような話で、枢機卿をそそのかします。

枢機卿が手にしたネックレスはラ・モット伯爵夫人の共犯者に渡り、分解されてイギリスなどに転売。後日、宝石商からアントワネットに支払いについての確認があって事件が発覚しました。彼女は詐欺事件に名前を使われたにも関わらず、民衆には「浪費家の王妃が枢機卿を騙した」として伝わり、評判を落とすことに…。

この「首飾り事件」のネックレスの一部と伝わるダイヤモンドも本展で展示。さらに、王妃の処刑に用いられたとされるギロチンの刃や、ヨーロッパの歴史を転換させたフランス革命の空気も紹介され、当時のフランスをリアルに追体験できる機会となりそうです。

配信元: イロハニアート

提供元

プロフィール画像

イロハニアート

最近よく耳にするアート。「興味はあるけれど、難しそう」と何となく敬遠していませんか?イロハニアートは、アートをもっと自由に、たくさんの人に楽しんでもらいたいという想いから生まれたメディアです。現代アートから古美術まで、アートのイロハが分かる、そんなメディアを目指して日々コンテンツを更新しています。