プレステ「ディスク生産終了」で中古市場に「崩壊の危機」 アナリストが警鐘

プレステ「ディスク生産終了」で中古市場に「崩壊の危機」 アナリストが警鐘

ソニーが2028年1月以降、PlayStation向け新作ゲームの「物理ディスク(パッケージ版)」を生産終了すると発表したことを受け、業界内では新たな懸念が広がっている。海外メディアや専門家らは、この決定が世界で72億ドル(約1兆1800億円)規模にのぼる中古ゲーム市場を「崩壊」させる恐れがあると警告。長年続いてきたユーザー主導の二次流通エコシステムが終焉を迎える可能性が浮き彫りになった。

拡大を続ける中古市場に冷や水、アナリストらは「破滅」を警告

米CNBCやIGNが報じた市場調査会社Datainteloの推計によると、世界の中古ゲーム関連市場は2025年時点で72億ドル規模と評価されており、2034年までに138億ドル(約2兆2500億円)へと成長する予測が出されていた。昨年には、その4割以上を家庭用ゲーム機(コンソール)関連が占めていたという。

ユーザーにとって「クリアしたゲームを売って、それを軍資金に新しいゲームを買う」というサイクルは、数十年にわたり定着してきた合理的な選択肢だった。しかし、ソニーの完全デジタル移行により、この巨大なサイクルが覆されようとしている。

米資産運用大手Wedbush Securitiesのマイケル・パクター氏は、「歴史的にゲームの少なくとも3分の1は中古として販売されてきた。中古ゲームはゲーマーが新しいゲームを買うための資金にもなっていた」と指摘。「実店舗のゲーム小売は破滅に向かう運命にある」と厳しい見解を示した。

また、米独立系金融調査会社Morningstarの伊藤和典氏も、中古ゲーム市場は「縮小を続け、最終的には消滅するだろう」と予測する。物理ディスクがなくなれば、ユーザーは安価な中古ソフトという選択肢を失い、価格やアクセスの主導権はプラットフォームホルダーであるソニー側に握られることになる。

自らアピールした「ディスクの利便性」という皮肉

今回の決定に対し、業界からは「強烈な皮肉」だという声も上がっている。ソニーは2013年、ライバル機であるXboxの方針を牽制する形で、「PS4のゲームを友達に貸す方法」を説明する短い動画を公開。「ディスクを直接手渡す」だけのシンプルな演出が、多くのゲーマーから支持を集めた過去がある。

当時、自らが「消費者フレンドリーな選択肢」としてアピールした物理ディスクの価値を、今度は自らの手で廃止しようとする姿勢に対し、現在も残るYouTubeの動画ページには、「離婚した後に結婚式のビデオを見ているようだ」といったシニカルなコメントも新たに寄せられている。

配信元: iza!

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