手足口病は、集団生活の中で感染が広がりやすく、乳幼児を持つ保護者にとって気になる感染症の一つです。実際、「夏風邪かな」と思っていたら、手足口病だったというケースは少なくありません。
国立健康危機管理研究機構の発表によると、2026年第27週(6月29日~7月5日)の手足口病の報告数は全国で1万5845人、定点当たり報告数(1医療機関当たりの平均報告数)は7.03でした。今回は、この内容について五藤先生に伺いました。

監修医師:
五藤 良将(医師)
防衛医科大学校医学部卒業。その後、自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどに勤務。2019年より「竹内内科小児科医院」の院長。専門領域は呼吸器外科、呼吸器内科。日本美容内科学会評議員、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医。
国立健康危機管理研究機構が発表した内容とは?
編集部
国立健康危機管理研究機構が発表した内容を教えてください。
五藤先生
国立健康危機管理研究機構の発表によると、2026年第27週(6月29日~7月5日)の手足口病の報告数は全国で1万5845人、定点当たり報告数は7.03でした。手足口病は乳幼児を中心に流行しやすい感染症で、手や足、口の中などに発疹や水ぶくれが表れることが特徴です。都道府県別に定点当たり報告数を見ると、警報の目安(感染症の流行拡大を知らせる基準値)である5.0を大きく上回る地域も多く、島根県が18.00で最も高く、次いで佐賀県11.83、東京都11.72、千葉県11.59、富山県10.69、奈良県10.09と続きました。このほか、静岡県9.58、京都府9.27、山口県9.13、神奈川県9.09、埼玉県9.06などでも比較的多くの報告がありました。一方、北海道は0.68と最も低く、青森県1.59、秋田県1.08、宮崎県1.80などでは比較的少ない状況でした。テーマになった疾患とは?
編集部
手足口病について教えてください。
五藤先生
手足口病は、口の中や手足に水ぶくれを伴う発疹が表れる感染症で、乳幼児を中心に夏に流行します。感染すると3~5日ほどで、口の中や手のひら、足の裏などに小さな水ぶくれを伴う発疹が表れ、発熱は38℃以下のことが多く、ほとんどは3~7日ほどで自然に回復します。一方で、まれに髄膜炎や脳炎、心筋炎などの重い合併症を起こすこともあるため、症状の変化には注意が必要です。感染は、せきやくしゃみによる飛沫、接触、便を介して広がります。特別な治療法や有効なワクチンはなく、症状に応じた対応が基本です。石けんを使った丁寧な手洗いを行うことやタオルの共用を避けること、排泄物を適切に処理することが予防につながります。日頃から手洗いを徹底し、感染予防を心がけましょう。
