
丙午にあたる2026年。マルイカの好況に続き、スルメイカも早い開幕を見せ、早くも“アタリ年”を予感させるムードが漂っている。初夏の沖釣りを代表するターゲットを求めて、神奈川県長井港『儀兵衛丸』を訪ねた。
長井港『儀兵衛丸』は駐車場至近で便利
取材日は、ゴールデンウィークの混雑もひと段落した5月15日。長井港に係留される『儀兵衛丸』のすぐ前に車を停め、店先に掲示された船形へ記名して釣座を確保する。この時期のイカ船は5時集合、6時出船。4時半には船宿が開き、受付が始まる流れだ。投入器は無料レンタルがあるものの、イカ釣りはやり込むほどに荷物が増える。マイ投入器、マット、縄鉢、電動リール用バッテリー、まな板とナイフ、仕掛け枠、スペアのオモリ……それだけに、船の目の前へ駐車できる利便性は、釣行前後の負担を大きく軽くしてくれる。
この日は出船1時間前には予約客全員が乗船済み。準備も手際よく整い、『儀兵衛丸』は定刻より少し早めに出船した。
城ヶ島沖から洲崎沖まで広範囲を捜索
最初の釣り場は城ヶ島沖、水深88m。期待の第1投。左舷ミヨシの宇都木さんの竿先に、着底間もなく触りが出たが、巻き上げ途中で惜しくもバラシ。右舷側でも竿先を叩く魚信が相次ぐ。取り込まれたのはマサバ。体高のある見事な魚体だが、14cmのツノを丸呑みにしてしまうため、この釣りでは厄介な存在である。
8時過ぎ、船長はこの状況を見切って館山沖へ舳先を向けた。この判断が功を奏する。水深70mのポイントで、左舷ミヨシの宇都木さんが船中1杯目となるマルイカを取り込むと、続いて左舷ミヨシの三好さんがムギイカ級からニセイカ級のスルメイカを3点掛け。これを合図に、各釣座で電動リールのモーター音が鳴り響き始めた。ひと流しごとに船上の空気が変わっていく。単発ながらも確実にイカの反応を拾い、気づけば乗船者全員が釣果を手にしていた。
正午近く、館山沖から洲崎沖へ移動。沖上がりの時刻は迫っていたが、魚探の反応を丹念に見極め、ここぞというタイミングで投入の合図。水深90m、着底間もなくズン、ズン!と確かな手応え。微速で巻き上げながら追い乗りを促すと、竿は大きく曲がり、スプールの糸が軋む。仕掛けを手繰れば、ニセイカ級から“スルメイカ”と呼ぶにふさわしいサイズまでが3点掛け、4点掛けで姿を見せた。沖上がり間際とあって沖干しを作る時間こそなかったが、最後の最後にイカ釣りの醍醐味を味わう展開となった。

