糖尿病性腎症の進行を防ぐためには?
編集部
糖尿病性腎症を防ぐために大切なことは何ですか?
東谷先生
血糖値を安定させることです。高血糖が続くほど腎臓の細い血管に負担がかかり、腎症が進みやすくなります。ただし、腎機能が低下している人の場合、薬が体に残りやすくなり、低血糖のリスクが高まることがあります。そのため、目標とする血糖値は、年齢、合併症、低血糖の起こりやすさなどを考えて個別に決定することが大切です。
自己判断で薬を調整せず、主治医と相談しながら治療を続けましょう。
編集部
血圧管理も重要なのでしょうか?
東谷先生
非常に重要です。糖尿病性腎症では、高血圧があると腎臓への圧力が高まり、尿タンパクが増えたり、腎機能が低下しやすくなったりします。特に、尿タンパクが出ている人は血圧を適切に下げることが欠かせません。減塩、体重管理、適度な運動、コレステロール管理、禁煙も血圧の管理に役立ちます。薬物療法と生活習慣の両方を組み合わせ、しっかり血圧を管理するようにしましょう。
編集部
食事面では、どのような点に注意すればよいですか?
東谷先生
食べすぎを避け、主食、主菜、副菜のバランスを整え、塩分を控えることが大切です。腎症が進んだ場合には、タンパク質の摂取量を調整することがありますが、自己流で極端に減らすと、筋力低下や低栄養につながる恐れがあります。医師や管理栄養士に相談しながら、腎機能や体格に応じて適切な量を見極めることが欠かせません。
編集部
そのほか、注意点はありますか?
東谷先生
糖尿病性腎症は、自覚症状が乏しい時期でも進行していることがあります。そのため、「症状がないから大丈夫」と考えて受診を中断しないことが大切です。実際に、通院を中断した後、腎機能が急速に悪化してしまう人も少なくありません。
定期的に尿中アルブミンの検査を受け、血圧を適切に保ちながら、HbA1cを目標範囲内に維持することが重要です。自覚症状がなくても検査と治療を続け、腎機能を守っていきましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
東谷先生
糖尿病治療の最終的な目標は、現在の生活の質をなるべく保ちながら、神経障害や網膜症、腎症といった合併症を防ぐことです。合併症が起こるのは遠い将来の話に思えるかもしれませんが、ひとごとと考えず、今できる治療や予防にしっかり取り組んでいきましょう。透析が必要になる状態を防ぐためにも、血糖値と血圧を厳格に管理し、定期的な受診を続けてほしいと思います。
編集部まとめ
糖尿病の合併症は、症状がないうちから静かに進むことがあります。将来も今の生活を続けるためには、血糖値だけでなく、血圧や尿タンパク、腎機能を継続的に確認することが大切です。症状がなくても、定期的な受診を続けましょう。

