筆者の友人A子の話です。同僚の妊娠報告に、素直に喜べなかった日のことを、A子は今も忘れられないと言います。
先に頭に浮かんでしまったシフト表
人手不足が続く保育園で働くA子にとって、その朝の出来事は突然のことでした。
職員会議後、同僚のB美が「少しだけ時間をもらえますか」と口を開きます。
「実は、私事ですが妊娠しました。現在4ヶ月です」
おめでとう、という言葉よりも先に、頭の中にシフト表が浮かんでしまいました。
それはA子だけではなかったはずです。
「今、一番忙しい時期なのに」
誰かがそっとつぶやいた言葉を、誰も否定しませんでした。
A子も笑顔で「おめでとう」と言いながら、素直に祝福しきれないことに後ろめたさを感じていました。
じわじわと生まれる距離
それからのB美の様子は、少しずつ変わっていきました。
休憩室で輪の外に座ることが増え、ランチをひとりで食べている姿をA子は何度か目にしました。
声をかけたい気持ちはありました。
でも何を言えばいいかわからず、いつもタイミングを逃してしまいました。
温かくフォローしているつもりが、どこか義務感によるものに近くなっていました。

