病気の不安があるときこそ相談してほしい
編集部
もし、症状が出始めたころの自分に何か伝えられるとしたら、どんな言葉をかけますか?
Aさん
「体の違和感にふたをしないで」と伝えたいですね。病気が判明する前は胸の痛みがあったにもかかわらず、そのつらさを過小評価して仕事に行っていました。近所のクリニックで「救急車を呼びますか?」と聞かれて、初めて事態の重大さを自覚したんです。
一人暮らしで無理を止めてくれる人がいなかったこともあり、振り返るともっと早く医療に頼ればよかったと思います。読者の皆さんも、心配して声をかけてくれる人の言葉を大切にしてください。
編集部
SLEという病気を知らない人に、伝えたいことはありますか?
Aさん
病気は、外からは見えにくいこともあります。元気に見える人が実は通院していたり、見た目の変化が治療の影響だったりすることもあります。もしかしたら、電車で隣に座っている人も治療中かもしれません。
私自身、病気になって初めてそういったことに気付き、人の見方が変わりました。「人の背景を自分で決めつけない社会になったらいいな」と思います。
編集部
医療従事者に期待することはありますか?
Aさん
目の前の症状だけでなく、その背景にある可能性にも目を向けてもらえると、とても心強く思います。
私は最初、心膜炎で循環器内科を受診しました。その際、医師が症状から膠原病(こうげんびょう/免疫の異常により皮膚や関節、内臓などに炎症が起こる病気の総称)の可能性も考えて、膠原病に詳しい医師を紹介してくれました。視野を広く持って診てもらえたおかげで早期診断につながったんです。本当にありがたかったですね。
編集部
同じように病気と向き合う人に、伝えたいことはありますか?
Aさん
病気は完治するものばかりではなく、退院後や薬の減量後も長く、ときには一生付き合っていく必要があるものもある——その事実をまず知ってもらいたいですね。
また、一人暮らしでも異変があれば救急車を呼ぶことを検討し、余裕があれば入院セットも準備してください。SLEはちょっとした疲れやストレス、生活習慣の変化で急激に悪化することがあるといわれており、事前の備えは欠かせません。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
Aさん
病気と向き合う中で不安になることはたくさんありましたが、調べてみると、医療費や生活を支える制度が思っていた以上に用意されていました。私の場合は高額療養費制度や難病医療費助成制度、傷病手当金などを利用しています。
治療費用や病気への不安を相談できる窓口や制度があることを、ぜひこの機会に覚えてください。
編集後記
SLEのように、外からは見えにくい病気と共に働き、暮らしている人は少なくありません。長引く不調があれば、ためらわずに医療機関を受診しましょう。一人で抱え込まず、利用できる制度や身近な人を頼ってみてください。
本稿には特定の医薬品、医療機器についての記述がありますが、情報提供のみを目的としたものであり、医療上の助言や販売促進などを目的とするものではありません。
なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。
記事監修医師:
田島 実紅(医師)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。
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