女優の見上愛が一ノ瀬りん、上坂樹里が大家直美という2人のヒロインを演じるNHK連続テレビ小説「風、薫る」(総合など)の第87回が28日に放送される。第18週「岐路にて」(第86~90回)で描かれた伏線を振り返りながら、その見所を解説する。
朝ドラ「風、薫る」第87回(7月28日放送予定)見所
直美は派出看護の会の設立に向けて準備を進める。りんの母・美津(水野美紀)や、「瑞穂屋」店主・清水卯三郎(坂東彌十郎)、製薬会社で働く竹内虎太郎(小林虎之介)ら、周囲に相談しながら進めるなか、牧師の吉江善作(原田泰造)がやってきて…。
朝ドラ「風、薫る」第18週「岐路にて」(第86~90回)ストーリー展開【振り返り】
第18週の幕開けとして、直美が「派出看護」という新たな理想を実現するため帝都医大病院を辞める決断を下し、物語が大きく動き出した第86回(27日放送)。大学病院医療の限界と地域医療の役割が丁寧に描かれる一方、直美は満足な医療を受けられない人々へ看護を届ける新たな挑戦へ踏み出すことを決意した。さらに、新潟では黒川勝治(平埜生成)の言葉をきっかけに、看護の道から離れていたりんの心にも再び変化の兆しが生まれ、2人のヒロインがそれぞれ新たな使命へ向かって歩み始める節目の回となった。
【以下、ネタバレ】
一ノ瀬家で、りんの娘・環(英梨)の小学校入学記念に撮った家族写真を、直美は、美津、環と眺めていた。
一方、新潟の高越女学校では、掃除の時間にりんのもとを、帝都医大病院で外科教授助手を務めていた黒川が訪ねてくる。黒川は、この辺で一番大きい黒川病院の跡取りで、帝都医大病院で修行した後、4月から実家に戻ってきていた。医療器械も最新のものがそろっているが、新潟には「トレインドナース」が1人もいないことから、りんに「看護婦取締として黒川病院で働いてもらいたい」と頼む。帝都医大病院と同額の給金を約束したが、看護婦としてやっていく自信がないと断るりんに、黒川は「キミは本当に一生このまま看護に関わらないつもりなのか? 僕はキミのような、患者のために悩める人こそ現場にいるべきだと思うがね」と語りかけた。そのやり取りを新聞記者・横沢公輔(井上祐貴)が聞いており、横沢は看護婦という仕事に興味を示した。
直美は派出看護の現状を内科教授の木村文平(前野朋哉)に相談していた。木村は、現状を調べたうえで、直美に、貧しい人々への慈善医療を大学病院で行うのは構造的に難しいということを伝えた。その後、直美は、大山捨松(多部未華子)の邸宅を訪問。貧しい人々への看護と採算性の両立に悩む直美に、捨松は「ご自分で会を作ればいかが? 派出看護の専門の」と米国の制度を参考に「松竹梅」の料金設定を設けた組織づくりを提案する。「女の身で…?」とためらう直美に、捨松は「直美さんがやることは、たとえ小さな歩みでも、新しい女の生き方につながります」と力強く背中を押した。
直美は院長の多田重太郎(筒井道隆)に「私、帝都医大病院を辞めさせていただきます」と告げた。「派出看護をするつもりですか?」という多田に、直美は、満足に治療を受けられない貧しい人々のための派出看護の会を立ち上げたいと決意を語る。多田は驚くことなく、「懸命な判断ですね。承知しました。大学病院は、突き詰めれば医学の研究、発展のための病院だ。今の医学では救えぬ命を、明日救うべく進み続けねばならない。一方で、今の医学から貧しさゆえこぼれ落ちる命を救う者もいなければならない」と述べ、協力が期待できる町医者のリストを渡した。「どちらの医も仁術なり。健闘を祈る」
多田の粋な計らいの陰には、用務員・柴田万作(飯尾和樹)の後押しがあった。直美は万作に聞こえるように、木村と話をした。多田と万作は幼なじみで、万作に感謝して病院を去った直美は、亡き母・柳川文(内田慈)が残したお金を元手に、貧しい人々の命を救う新たな挑戦へと踏み出した。
その頃、新潟の舎監室で、直美からの手紙を受け取ったりんは、同封されていた家族写真と自らの手をじっと見つめていた。ベテラン看病の須永ヨシ(明星真由美)も直美の挑戦を応援した。

