膵臓を専門とする外来・膵臓ドックでは何をする?
編集部
MRI-MRCPについて教えてください。
澤野先生
MRI-MRCPは、造影剤を使わずに膵管や胆管を描出する検査です。膵臓を詳しく評価するために用いられ、膵のう胞や膵管の拡張、狭窄、途絶、膵実質の限局的な萎縮やくびれ、拡散強調像高信号などを確認するのに役立ちます。膵臓がんの早期発見では、こうした画像所見の評価が重要になります。
編集部
では、超音波内視鏡検査(EUS)は、どのような検査ですか?
澤野先生
内視鏡の先端に超音波装置が付いた検査です。内視鏡検査で胃や十二指腸にアプローチし、そこから超音波を使って膵臓を観察します。通常の腹部エコーでは超音波が届きにくい部分も評価しやすいという特徴があります。ただし、特殊な装置と専門的な技術が必要なため、どの施設でも一般的に行われているわけではありません。
編集部
どのような人は、膵臓を専門とする外来や膵臓ドックを検討したほうがよいでしょうか?
澤野先生
膵臓がんの家族歴がある人や、膵のう胞・膵管拡張を指摘された人は、専門的な評価の検討をおすすめします。さらに、糖尿病を新たに発症した人や急に悪化した人、慢性膵炎、喫煙、肥満などのリスクがある人も同様です。症状が出てからでは早期発見が難しいため、リスクに当てはまる人は一度相談してください。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
澤野先生
膵臓がんは非常に予後が悪いがんであるものの、早期発見も可能になってきています。膵臓ドックでエコー検査だけでなくMRI検査の受診もおすすめします。
編集部まとめ
膵臓がんは、専門病院であっても0期・Ⅰ期の早期段階で発見される割合が全体の数%程度とされるほど、通常の健康診断では早期発見が難しいがんです。初期は症状が乏しく、血液検査や一般的な腹部エコーだけでは十分に捉えられない場合もあります。一方で、膵管拡張や膵のう胞、膵臓の限局的萎縮など、早期発見の手がかりとなる所見も存在します。家族歴や膵のう胞、糖尿病の悪化などのリスクがある人は、膵臓を専門とする外来や膵臓ドックなどで専門的な検査を検討してみてはいかがでしょうか。
※参考
日本膵臓学会/膵癌早期診断の現状
https://www.jstage.jst.go.jp/article/suizo/32/1/32_16/_article/-char/ja/
国立がん研究センター がん統計(膵臓)
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/10_pancreas.html

