「薬が6種類以上」の高齢者は副作用が増える? 在宅医療だからできる『薬の断捨離』を医師が解説

「薬が6種類以上」の高齢者は副作用が増える? 在宅医療だからできる『薬の断捨離』を医師が解説

減薬に向けてできること

減薬に向けてできること

編集部

在宅医療を利用していない人を含め、患者本人や家族が薬を減らしたいと考えたときは、どうすればよいでしょうか?

内田先生

まずは主治医や薬剤師に、「減らせる薬はありませんか」「できるだけ必要な薬に絞りたい」と率直に相談してください。患者さんご自身だけで、どの薬が不要かを判断するのは簡単ではありません。複数の病気に対する薬が重なっている場合、副作用が出ても、どの薬が原因なのかわかりにくいことがあります。インターネットやAIは薬について知るきっかけにはなりますが、中止の判断はできません。自己判断で急にやめると症状が悪化することもあるので、医療者と相談しながら進めることが重要です。

編集部

相談する際には、どのような情報を伝えるとよいですか?

内田先生

お薬手帳や薬の一覧を見せるだけでなく、実際に飲めているか、どの薬が余っているかも伝えてください。「この薬だけ残っている」「昼の薬はほとんど飲めていない」といった情報は、処方を見直すうえで非常に役立ちます。また、薬を飲んだ後に眠くなる、食欲が落ちる、ふらつく、便秘が強くなるなど、生活のなかで感じた変化も重要です。薬を処方どおりに飲めていないことを責めるのではなく、なぜ飲めないのかを考え、実際の生活に合う方法を探していきます。

編集部

減薬を考えるうえで、最も大切なことは何でしょうか?

内田先生

薬の数を減らすこと自体を目標にしないことです。その人が抱えている問題のなかで、何を優先するかを考える必要があります。腰痛を抑えて動けることが大切な人もいれば、眠気を減らして家族と会話できる時間を増やすことが大切な人もいます。また、終末期や緩和ケアに向かう時期には、新たに必要となる薬もあります。早い段階から必要な薬は残し、今の本人に合わなくなった薬を整理することは、必要な治療を適切に行うことや、その人らしい生活・看取りを支える準備につながります。ぜひ覚えておいてください。

編集部

最後に、メディカルドック読者へのメッセージがあれば。

内田先生

高齢の人が老人ホームなどに入居すると、食事の内容や生活リズムが整い、血圧や脂質の状態が改善することがあります。その結果、それまで服用していた高血圧症や脂質異常症の薬を減らせたり、不要になったりする場合もあります。このように、本当に必要な薬はその人の体調だけでなく、年齢や食事量、生活環境、病気の段階によっても変わります。薬は、一度処方されたらずっと同じ内容を続けるものとは限りません。処方された薬をただ受け取り続けるのではなく、「今の自分にも必要なのか」と関心を持つことも大切です。疑問があれば医師や薬剤師に相談しながら見直していきましょう。

編集部まとめ

体調や暮らす環境が変われば、必要な薬も変わるものです。自己判断で中止せず、気になることや余っている薬があれば、医師や薬剤師に伝え、今の自分に合った処方かを定期的に確認することが大切です。お薬手帳を活用し、家族とも情報を共有しておきましょう。

配信元: Medical DOC

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