「アジソン病で血圧」が下がる原因はご存知ですか?注意が必要な症状も解説!

「アジソン病で血圧」が下がる原因はご存知ですか?注意が必要な症状も解説!

アジソン病は、副腎から分泌されるコルチゾールやアルドステロンが不足することで、低血圧を起こしやすくなります。立ちくらみやめまい、ふらつきなどの症状がみられることが多く、重症化すると副腎クリーゼによって急激な血圧低下やショック状態に陥ることもあります。

本記事では、アジソン病で血圧が下がる仕組みや立ちくらみが起こる理由、日常生活で気を付けたいポイント、血圧低下への対処法などを解説します。

上田 莉子

監修医師:
上田 莉子(医師)

関西医科大学卒業。滋賀医科大学医学部付属病院研修医修了。滋賀医科大学医学部付属病院糖尿病内分泌内科専修医、 京都岡本記念病院糖尿病内分泌内科医員、関西医科大学付属病院糖尿病科病院助教などを経て現職。日本糖尿病学会専門医、 日本内分泌学会内分泌代謝科専門医、日本内科学会総合内科専門医、日本医師会認定産業医、日本専門医機構認定内分泌代謝・糖尿病内科領域 専門研修指導医、内科臨床研修指導医

アジソン病で血圧が下がる理由

アジソン病で血圧が下がる理由

アジソン病ではなぜ血圧が下がるのですか?

アジソン病は、副腎皮質から分泌されるコルチゾールとアルドステロンが不足するため、血圧が低下しやすくなります。

コルチゾールには血管を適切に収縮させて血圧を維持する働きがあり、アルドステロンには体内のナトリウムと水分を保持して血液量を維持する働きがあります。これらのホルモンが不足すると、血管の緊張が低下するとともに体内の水分量も減少するため、血圧が低くなります。

アジソン病は慢性的な低血圧がみられることが多く、立ち上がったときに血圧がさらに低下する起立性低血圧を起こしやすいことも特徴です。

アルドステロンの不足はどう関係しますか?

アルドステロンは、副腎皮質から分泌されるホルモンで、腎臓に作用してナトリウムと水分を体内に保持し、カリウムを排泄する働きを担っています。

アジソン病はアルドステロンが不足するため、ナトリウムと水分が過剰に失われます。その結果、循環する血液量が減少し、血圧が低下します。また、カリウムが体内に蓄積しやすくなり、高カリウム血症を引き起こすこともあります。

このため、アジソン病は低血圧だけでなく、脱水、強い疲労感、筋力低下などの症状も現れやすくなります。

立ちくらみが起こりやすいのはなぜか教えてください

アジソン病は、アルドステロン不足によって血液量が減少し、さらにコルチゾール不足によって血管が血圧を維持しにくくなるため、立ち上がった際に脳へ送られる血液が一時的に不足しやすくなります。このため、立ちくらみやめまい、ふらつきが起こりやすくなります。

特に、脱水や発熱、下痢・嘔吐などで体内の水分がさらに失われると症状は悪化しやすくなります。重症化すると、副腎クリーゼを発症する場合があります。副腎クリーゼとは、副腎ホルモンが急激に不足することで、著しい低血圧やショック、意識障害、低血糖などを引き起こす命に関わる病態です。

立ちくらみが続く場合は無理に活動せず、水分や塩分の補給を心がけるとともに、症状が強い場合や悪化する場合は速やかに主治医へ相談しましょう。治療によってホルモン不足が改善すると、血圧が安定し、立ちくらみも軽減することが期待できます。

参照:『アジソン病(指定難病83)』(難病情報センター)

低血圧で気を付けたい症状と対応

低血圧で気を付けたい症状と対応

どのような症状に気を付ければよいですか?

アジソン病による低血圧は、立ちくらみやめまい、ふらつき、強い倦怠感などがよくみられます。特に立ち上がった直後に症状が現れる起立性低血圧が特徴的で、重症になると失神する場合もあります。

また、動悸、息切れ、脱力感、集中力の低下、かすみ目などを伴う場合もあります。さらに、発熱や感染症、嘔吐・下痢などをきっかけに血圧が急激に低下し、激しい嘔吐や意識障害、ショック状態を伴う場合は、副腎クリーゼの可能性があります。このような症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。

急に血圧が下がったときはどうすればよいですか?

立ちくらみやふらつきを感じた場合は、まず安全な場所で横になり、足を少し高くして休みましょう。脱水が疑われる場合は、水分を補給することも大切です。

発熱や感染症、下痢・嘔吐など体に強いストレスがかかる状況は、シックデイルールにしたがって、一時的にステロイド薬を増量することが重要です。シックデイルールとは、体調不良時に副腎ホルモンの不足を防ぎ、副腎クリーゼを予防するために、あらかじめ主治医と決めた方法で薬の量を調整する対応を指します。

薬が飲めないほどの嘔吐や意識障害、著しい低血圧などがある場合は、副腎クリーゼが疑われるため、救急要請や速やかな医療機関の受診が必要です。

日常生活で血圧の低下を防ぐ工夫はありますか?

アジソン病による低血圧を予防するためには、まず医師から処方されたホルモン補充療法を継続することが基本です。そのうえで、脱水を防ぐために十分な水分を摂取し、医師の指示がある場合は適切な塩分補給を心がけましょう。

また、急に立ち上がらずゆっくり姿勢を変えること、長時間の立ちっぱなしを避けること、発熱や下痢など体調不良時にはシックデイルールを実践することも重要です。暑い環境では汗とともに水分や塩分を失いやすいため、こまめな補給を意識するとよいでしょう。

参照:『アジソン病(指定難病83)』(難病情報センター)

配信元: Medical DOC

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