「ケーキを食べた夜だった」実父から性的虐待、40年越しの裁判で「加害者だけが救われる」制度を問う

「ケーキを食べた夜だった」実父から性的虐待、40年越しの裁判で「加害者だけが救われる」制度を問う

●「あのとき逮捕されていれば」

16歳のとき、限界を迎えた塚原さんと妹は警視庁少年課へ被害を訴えた。

塚原さんによると、父親は警察の聴取に対して虐待を認めたものの、警察からは「逮捕しても3年で出てくる」「仕返しに遭うかもしれない」と説明され、事件化は見送られたという。

「あのとき父が逮捕されていたら、その後の私たちの人生は違っていたのかもしれません」

当時、家を出て自立援助ホームへ入所する際、塚原さんが父親へ宛てて残した手紙には、当時の痛切な思いがつづられている。

<なぐられるのも逆体(ママ)を受けるのもこわいので家には戻りたくありません>
<私はお父さんと肉体関係をもつのははっきり言って嫌いでした>

●父から届いた一通の手紙で崩れた日常

それから何十年もの月日が流れた。子育てをする中で虐待を思い出すことはあっても、精神科へ通院するほどではなかったという。

しかし2021年10月、父親から届いた一通の手紙が状況を一変させた。

「電話を」と書かれた手紙に従い連絡をとると、父親は謝罪するどころか、「お互いいい年齢だし、昔のことだから忘れろ」と言い放った。

さらに、同じく性被害を受けて、のちに自殺した弟についても「弟は死んでも構わない」と言い捨てたという。

「その言葉で、私の心は完全に壊れました」

激しいフラッシュバックや睡眠障害が始まり、日常生活での注意力が著しく減退。自責の念から自傷行為を繰り返すようになり、同年12月、クリニックで「被害による複雑性PTSD」と診断された。

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