熱中症の頭痛についてよくある質問

どのような頭痛が受診の目安になりますか?
頭痛に加えて、自分で水分を飲めない、吐き気や嘔吐がある、意識がぼんやりしている場合は、すぐに病院を受診してください。日本救急医学会の基準では、頭痛や吐き気、全身のだるさがある状態はⅡ度(中等症)に分類され、診察や点滴治療などが必要な状態とされています。さらに、呼びかけへの返事がおかしい、まっすぐ歩けない、全身がけいれんしている、皮膚が赤く熱いのに汗をかいていないといった症状がある場合は、重症または最重症のサインです。このような場合は時間をおかず、救急車を要請してください。
頭痛が長引くときはどうすればよいですか?
涼しい場所で休み、身体を冷やして水分・塩分を補給しても頭痛が数時間以上よくならない場合は、病院を受診してください。翌日になっても痛みが残る場合も、熱中症によるダメージが回復していない、あるいは脱水が続いている可能性があります。また、熱中症と思っていた頭痛が、くも膜下出血などの脳の病気や感染症による頭痛である可能性もあります。そのうち治るだろうと放置したり、市販の頭痛薬を飲み続けたりせず、症状が長引く場合や不安がある場合は、医師の診察を受けましょう。
頭痛を繰り返さないための予防はありますか?
熱中症による頭痛を繰り返さないためには、体調管理、暑さを避ける行動、暑熱順化を意識することが予防につながります。暑熱順化とは、身体が暑さに慣れることです。夏本番を迎える前から、やや暑い環境で無理のない運動を行い、汗をかく習慣をつけると、身体が熱を逃がしやすくなります。ウォーキングなどを毎日30分程度行うことが一つの目安です。また、睡眠不足、朝食抜き、二日酔いなどの体調不良は熱中症のリスクを高めます。十分な睡眠と食事をとり、外出時は帽子や日傘を使い、のどが渇く前にこまめに水分を補給してください。室内でもエアコンを使い、室温が28度を超えにくい環境を整えることがすすめられます。
頭痛はどのくらいで治まりますか?
軽い段階で気付き、すぐに涼しい場所で休んで冷却と水分・塩分補給を行えれば、数十分~数時間で改善することがあります。一方で、はっきりした頭痛や吐き気がある場合は、中等症に進んでいる可能性があります。体内の脱水や電解質のバランスが乱れていると、回復には時間がかかります。病院で点滴などの治療を受けると早く楽になることもありますが、完全に体力が戻るまではその日は安静にし、無理をしないでください。重症化した場合は入院治療が必要となり、回復までに数日〜数週間かかることもあります。
体を冷やすときに気を付けることはありますか?
身体を冷やすときは、氷などを皮膚に直接長く当てず、本人の意識状態を確認しながら行います。首、わきの下、太ももの付け根を冷やす方法は有効ですが、氷や保冷剤を直接皮膚に当て続けると凍傷を起こすことがあります。必ずタオルなどで包み、冷えすぎないように調整してください。また、意識がない、呼びかけへの反応がおかしいといった場合に、無理に冷たい水を飲ませるのは避けます。水が気道に入る危険があるためです。冷やしている間も本人から目を離さず、症状の悪化や呼吸の状態を確認し、改善しない場合は速やかに病院へ搬送してください。
編集部まとめ

熱中症による頭痛は、体内の水分や塩分が失われ、脳への血流が不足しているサインです。ズキンズキンとする頭痛が出たら、すぐに涼しい場所へ移動し、衣服をゆるめて身体を休ませてください。首の付け根、わきの下、太ももの付け根を冷やし、自力で飲める場合は経口補水液やスポーツドリンクなどで水分と塩分を補います。
熱中症による高体温には、市販の頭痛薬や解熱鎮痛薬は効果が期待できず、脱水時には臓器に負担をかけるおそれがあります。自力で水分が飲めない、吐き気がある、意識がぼんやりしている場合は、病院を受診するか救急車を要請してください。普段から睡眠や食事を整え、暑い日は無理をせず、エアコンの活用とこまめな水分補給で熱中症を防ぎましょう。
参考文献
『熱中症環境保健マニュアル 2022』(環境省)
『熱中症診療ガイドライン 2024』(日本救急医学会)
『日常生活における熱中症予防指針 Ver.4』(日本生気象学会)
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