「いつもの便秘」が病気のサインに!?医師が教える、見逃してはいけない便通の変化と受診目安【医師コラム】

「いつもの便秘」が病気のサインに!?医師が教える、見逃してはいけない便通の変化と受診目安【医師コラム】

市販薬との付き合い方と、受診時に伝えたいポイント

「いつもの便秘」が病気のサインに!?医師が教える、見逃してはいけない便通の変化と受診目安【医師コラム】

ここまで、便通トラブルで起こりうるさまざまなリスクについてお伝えしてきました。とはいえ、すべての便秘や下痢で、すぐに病院を受診する必要があるわけではありません。ここからは、市販薬とどのように付き合っていけばよいか、そして実際に受診される際にはどんなことを伝えるとよいか、一緒に見ていきましょう。

市販薬を使うときの注意点

便秘や下痢の症状が軽く、お伝えしたような危険なサインがない場合は、市販薬を短期的に使用することは問題ありません。

便秘には酸化マグネシウム系の便軟化剤や、センナ・ダイオウを含む刺激性下剤が市販されています。。ただし、刺激性下剤は長期間使い続けると腸が薬に慣れてしまい、薬なしでは便が出にくくなる「習慣性」が生じることがあるため、なるべく短期間の使用にとどめましょう。

下痢止めについては、感染性腸炎(食中毒など)のときに安易に使用すると、細菌や毒素を腸内に閉じ込めてしまう恐れがあります。発熱や血便を伴う下痢の場合は、下痢止めを自己判断で使わず、早めに受診することが重要です。

また、市販薬で一時的に症状が和らいだとしても、根本的な原因が解決しているわけではありません。
「薬を飲めば大丈夫」と安心して受診を先延ばしにすることが、最も避けるべき落とし穴です。

受診時に医師へ伝えたいこと

このように、市販薬はあくまで一時的な対処であり、症状が続く場合はやはり受診が必要です。とはいえ、いざ受診するとなると、何をどう伝えればよいか戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか?

実は、症状を医師にうまく伝えていただけると、それだけ正確な診断にたどり着きやすくなります。下記に、伝えるポイントをまとめてみましたので、事前に整理しておくと診察時にとても役立ちます。

①症状がいつごろから始まったか
②便の状態(硬さ・色・形・血の有無)
③排便の頻度や、以前との変化
④腹痛・発熱・体重減少・めまいなど、便通以外の症状
⑤現在飲んでいる薬やサプリメント(整腸剤・下剤・鉄剤なども含む)
⑥家族に大腸がんや炎症性腸疾患の方がいるか

「おなかのことを話すのは恥ずかしい」と感じる方も少なくありませんが、便通の悩みはとても多くの方が抱えているものです。安心して、ありのままの状態をお伝えいただければと思います。 

まとめ

便通の悩みは「恥ずかしい」と我慢されがちですが、早い段階での相談が安心につながります。体質的な便通の乱れは生活習慣の改善で対処できることも多い一方で、「いつもと違う変化」は体からの大切なサインです。そのサインを放置することは、大腸がんの発見遅れや、腸閉塞・脱水といった命に関わるトラブル、さらには脳卒中・心筋梗塞・全身の免疫低下といった深刻な結果を招きかねません。

血便・急な体重減少・便の性状の変化・発熱の合併などが見られる場合は、迷わず受診をしてください。自己判断に頼り過ぎず、気になる変化があれば、かかりつけ医に気軽に相談する習慣をつけておきましょう。あなたの腸の健康は、全身の健康を守ることに直結しています。

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

著者/監修/橋本将吉 先生
株式会社Gift Circle(リーフェグループ)代表取締役。内科医。西新宿セルフライフ内科クリニック院長として、患者様の生活習慣に寄り添った診療をおこない、特に予防医学に力を注いでいる。総合診療医として、生活習慣病や感染症、誤嚥性肺炎など、日常診療で頻繁に遭遇する疾患を幅広く診療。医療現場での経験をもとに、「わかりやすく、すぐに役立つ医学情報」の発信を重視している。また、全国7校舎を展開する医師個別指導塾「医学生道場」を運営し、82名の医師講師とともに次世代の医師育成に取り組むなど、医療教育分野にも精力的に携わっている。 YouTubeチャンネル「ドクターハッシー/内科医 橋本将吉」では、病気の予防や健康管理、食事・運動・睡眠といった生活習慣をテーマに、医学的根拠に基づいた情報を一般向けに発信。テレビ・ラジオなどのメディア出演も多数。

配信元: 介護カレンダー

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