ヒアルロン酸注射後の「しこり」はなぜできる? 細菌との関係と清潔管理の重要性を医師が解説

ヒアルロン酸注射後の「しこり」はなぜできる? 細菌との関係と清潔管理の重要性を医師が解説

ほうれい線を目立たなくしたり、涙袋を形成したりと幅広い悩みに用いられるヒアルロン酸注射。施術自体は短時間で済む一方、安全性や仕上がりを左右するのが施術前後の「清潔管理」です。施術直後の皮膚には小さな傷があり細菌が入りやすいため、注入部位に触れない、すぐにメイクをしないといった配慮が欠かせません。清潔を保つことは感染だけでなく、時間が経ってから生じるしこり(遅発性合併症)のリスク低減にもつながると考えられています。ヒアルロン酸注射の基本から施術後の注意点、クリニック選びのポイントまで、PRIDE CLINICの久野賀子先生に聞きました。

※2026年6月取材。

久野 賀子

監修医師:
久野 賀子(PRIDE CLINIC)

2017年東京医科歯科大学(現・東京科学大学)医学部医学科卒業。2019年日本大学医学部附属板橋病院にて初期研修を修了後、湘南美容クリニックに入職。湘南美容クリニック池袋東口院・西口院にて皮膚科処置を中心に研鑽を積み、埋没法や糸リフトなどの技術を習得。その後、新宿本院皮膚科にて診療に加え、新入職医師の指導や対応、医局長としてスタッフマネジメントにも従事。2024年PRIDE CLINICを開院。

ヒアルロン酸はどのような治療?基本を確認

ヒアルロン酸はどのような治療?基本を確認

編集部

ヒアルロン酸とはどのような成分ですか?

久野先生

ヒアルロン酸は、肌にボリュームやハリを与える成分です。体になじみやすく、時間とともに自然に分解される特徴があります。持続期間は製剤によって異なり、約6カ月でなくなるものから2~3年ほど持つものまでさまざまです。

編集部

どのような悩みに使われる傾向にありますか?

久野先生

たとえばシワの場合は、原因によって治療を使い分けます。表情ジワはボトックス、くぼみによる影はヒアルロン酸や脂肪注入、たるみによる線はリフトアップ施術が適しています。ヒアルロン酸は、ほうれい線を目立たなくしたり、涙袋を形成したりする際にも用いられます。

編集部

ヒアルロン酸注射はどのような流れで行われますか?

久野先生

まずカウンセリングで注入部位を決めたあと、洗顔などの準備を行います。施術そのものは短時間で終わり、冷やしながら行うため痛みは少なくて済みます。消毒は複数回行われ、安全性を高めています。施術後は注入部位に触れず、優しく扱うことが重要です。

編集部

施術後、触れてはいけない理由はなぜですか?

久野先生

主な理由は清潔を保つためです。施術直後は皮膚に小さな傷がある状態のため、細菌が入りやすくなっています。清潔を徹底すれば、施術後のさまざまなリスク軽減につながります。

清潔管理が重要? リスクと対策を知ろう

清潔管理が重要? リスクと対策を知ろう

編集部

清潔を保つメリットを教えてください。

久野先生

施術直後の感染リスクに加え、時間が経ってから起こるしこり(遅発性合併症の一種)のリスクも低減できます。しこりはヒアルロン酸と細菌が関与して生じると考えられています。

編集部

清潔を保つためには、具体的にどう対応すればよいでしょうか?

久野先生

製剤、施術中、施術後の3つの段階で清潔を意識することが重要です。たとえば、製剤は開封後すぐに使い切るほか、信頼できるメーカーの製品かどうかを確認します。

編集部

施術中のポイントも教えてください。

久野先生

施術中はメイクをきれいに落とし、しっかり消毒したうえで注射します。さらに針が不衛生な部分に触れないよう配慮します。

編集部

施術後に気をつけるべき行動はありますか?

久野先生

施術後はすぐにメイクをせず、優しく扱うことが大切です。また、注入部位を強く触る、こするなどの刺激は避けてください。皮膚の状態が安定するまでは、できるだけ負担をかけないよう心がけてもらうとよいでしょう。

配信元: Medical DOC

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