綺麗に整列して並ぶ豪傑たち
展示風景
余談ですが、パワフルな豪傑たちを描いた作品なのに、展示室では整然と並んでいるのが少々おかしく、可愛いらしさも感じました。
というのも、当時の浮世絵版画はサイズが規格化されていたため、ほとんどの作品が同じサイズなんです。決まったサイズでキャラクターを表現する点は、現代のトレーディングカードみたいだな、と思ったり。
左から、歌川国芳《通俗水滸伝豪傑百八人一個 短命治郎阮小五》江戸時代 文政末~天保前期(1828~33)頃、歌川国芳《通俗水滸伝豪傑百八人一個 豹子頭林冲》江戸時代 文政末~天保前期(1828~33)頃、歌川国芳《通俗水滸伝豪傑百八人一個 摸著天杜遷》江戸時代 文政末~天保前期(1828~33)頃
また、本展は一部の写真撮影が可能で、第1章の国芳の「通俗水滸伝」シリーズはすべて写真を撮ることができます。お気に入りの作品を見つけて、トレカを購入するように写真で思い出を持ち帰ってはいかがでしょうか。
「水滸伝」、予習してから行くべき?
《傾城水滸伝》曲亭馬琴 作 歌川豊国・歌川国安・歌川貞秀 画 江戸時代 文政8~天保6年(1825~35)刊 立命館大学アート・リサーチセンター
答えはNOです。もちろん予習を否定するわけではありませんが、「原作を予習しなきゃ楽しめない」と思う必要はありません! 美術が持つ力を信じて、委ねてください。
展示風景
展覧会の企画側も、水滸伝をよく知らない来館者が多いことは想定済みではないか、と感じました。第1章に国芳の見やすい作品が配置され、初心者が自然に物語へと誘われる構成だからです。
展示風景
そして、第2章からは北宋時代の中国美術、葛飾北斎による水滸伝の挿絵、現代の小説や漫画、ドラマに関する展示など、「水滸伝」の成立から現代の受容に至るまでを概観できます。第1章で国芳が描いた豪傑たちのビジュアルに触れたからこそ、第2章以降も興味を持って前のめりに鑑賞できました。
《布袋戯偶》亦宛然掌中劇団
知識の有無は置いておいて、まずは美術館へ行ってみませんか? 作品を見て感じた「この人はどんなキャラクターなんだろう?」といった小さな疑問は、「水滸伝」という壮大な世界への扉を開いてくれると思います。
