女優の見上愛が一ノ瀬りん、上坂樹里が大家直美という2人のヒロインを演じるNHK連続テレビ小説「風、薫る」(総合など)の第90回が31日に放送される。第18週「岐路にて」の締めくくりとなるこの日は、患者を救えなかった過去への恐怖から手を震わせながらも、生徒の看病をやり遂げたりんと、派出看護婦という厳しい仕事の壁に直面する直美のそれぞれが迎える新たな転機が描かれる。久々に集う仲間たちの再会は、2人が選ぶ「これからの生き方」にも影響を与えそうだ。
朝ドラ「風、薫る」第90回(7月31日放送予定)見所
直美は、りんの娘・環(英梨)と「シマケン」こと島田健次郎(Aぇ! group・佐野晶哉)と新潟を訪問。りんとの久々の再会を喜ぶ。4人で過ごすはずだったが、思いがけず新聞記者の横沢公輔(井上祐貴)も加わり…。
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朝ドラ「風、薫る」第18週「岐路にて」(第86~90回)ストーリー展開【振り返り】
新潟・上越の高越女学校で舎監を務めるりんのもとを、帝都医大病院で外科教授助手を務めていた黒川勝治(平埜生成)が訪ねる。実家の黒川病院で看護婦取締として働いてほしいと誘うが、りんは自信がないと断る。黒川は「僕はキミのような、患者のために悩める人こそ現場にいるべきだと思うがね」と伝え、返事を待つことに。その会話を聞いていた横沢は、看護婦という仕事とりんに興味を抱く。
派出看護の実現について考える直美は、大学病院では貧しい人々への慈善医療に限界があることを知り、大山捨松(多部未華子)に相談する。捨松は米国の制度を参考に「松竹梅」の料金制を取り入れた派出看護の会を提案。「たとえ小さな歩みでも、新しい女の生き方につながります」と背中を押した。直美は院長・多田重太郎(筒井道隆)に退職を申し出た。多田は「大学病院は、突き詰めれば医学の研究、発展のための病院だ。今の医学では救えぬ命を、明日救うべく進み続けねばならない。一方で、今の医学から貧しさゆえこぼれ落ちる命を救う者もいなければならない」と理解を示し、協力してくれる町医者の一覧を託した。
直美は帝都医大病院を退職。一ノ瀬家向かいの空き家に事務所を開き、シマケンらの協力を得ながら準備を進めた。養成所で同期だった柳田しのぶ(木越明)も参加を決意した。しかし、街でチラシを配っても反応は乏しく、現実の厳しさに直面。そんな直美のもとを牧師の吉江善作(原田泰造)が訪ね、九州への赴任を告げた。挑戦する直美を応援して旅立った吉江は、派出看護の会を「恵風看護婦会」と命名。しかし依頼は少なく、事業は思うようにいかなかった。
ある日、横沢がりんを取材。看護婦の仕事などについて熱弁するりんに横沢はますます興味を抱く。そんななか、警官に楯突いた横沢が監獄署に入れられてしまう。横沢はりんのことを心配しながら「ご無事なら顔を見せに来てください。差し入れがあるとなおうれしいです」と書いた手紙を出す。
校長の望月勘治(関智一)は世間体を気にし、横沢との面会に猛反対。悩むりんのもとにシマケンからの手紙が届く。「『舎監らしく』『先生らしく』ではなく…。りんさんらしくいるのが、ずっといとしげのように思います」。その言葉に背中を押されたりんは監獄署を訪ねた。「来てくれたんですね」と笑顔になった横沢は、突然「結婚しませんか? 私と結婚してください」とプロポーズ。りんは「しません、えっ、しません、しませんよ!」と慌てて断るが、横沢は「じゃあ今はそういうことで。ありがとうございます!」と明るく言い残し、監獄署の奥へ戻っていった。
「風、薫る」第89回(7月30日放送)【振り返り】
第89回では、看護の道を離れていたりんが、体調を崩した生徒の看病を通して、再び看護婦としての自分と向き合う重要な転機が描かれた。手を震わせながらも懸命に生徒を看護したことで、りんは失いかけていた自信を少しずつ取り戻していく。一方、派出看護という仕事の運営に苦戦する直美も、自らの限界を痛感しながら、新たな一歩を踏み出す決意を固めるなど、2人のヒロインがそれぞれ次の未来へ歩み始める節目の回となった。
【以下、ネタバレ】
りんからの手紙で、直美は、りんが横沢から結婚を申し込まれたことを知り、遊びに来ていたシマケンに、りんへ手紙を書いているのかと問いただす。シマケンは、先日も手紙を書いたばかりで、「新潟の言葉」についてつづったと答える。直美は心底あきれ、「グズグズしてると、横からサアーッと持っていかれちゃうよ」と一喝。状況が分からないシマケンに、直美は、りんが「いけすなかい新聞記者」と親しくなり、結婚を申し込まれたことを説明する。すぐに断ったことも伝えるが、シマケンはショックで言葉を失った。
一方、直美は、派出看護がうまくいかないのは、自分の生まれのせいかもしれないと考え、しのぶに打ち明ける。派出看護を利用するような裕福な家庭では、女中でさえ信用できる人しか雇わない。しのぶは「やっぱり、りんさんがいてくれたら…」とつぶやく。そして「りんさんなら家柄もだけど、何ていうか患者さんと近くて…その…」と言いかけると、直美は「心に触れる看護ができる」と言葉を継いだ。しのぶは、りんに会いに行くよう背中を押すが、直美は自分が“クビ”を宣告した手前、決心がつかない。
シマケンは暗い表情のまま団子屋で小説を読み、傍らには折り紙で作った「とんび」が置かれている。
その頃、高越女学校の女子寮で、生徒の岩瀬常(河村ここあ)が体調を崩して倒れる。りんは一瞬動揺し、手も震えたが、深呼吸を整え気持ちを落ち着かせると、冷静に看護した。往診に来た黒川は風邪と診断し、「一ノ瀬さんが変わらず看護できることも分かった」と安堵する。そして、新潟では東京以上に看病婦を集めるのが難しいと打ち明け、「せっかく来てくれた人たちに少しでも看護の基本を教えたい」と、看護の基本を紙にまとめてほしいと頼んだ。謝礼も支払うという。りんは依頼を引き受けた。
東京では、直美が軍人の小川吾郎(甲斐翔真)に、仕事が思うようにいかない悩みを打ち明けていた。話をするうちに気持ちは少し軽くなり、小川の「自分なら、どうしたらいいかを考える援軍を呼びます」という言葉に背中を押された直美は「ある決意」を固める。
新潟では、りんが「看護のいろは」の執筆に取り組んでいた。

