フッ素樹脂加工されたフライパンの最大のメリットは、表面に食材が付着しにくいことです。目玉焼きなどがくっつきにくいので助かりますね。
少ない油で調理できるのも特徴でメリットが多いため、このタイプのフライパンは広く使われています。
便利なフッ素樹脂加工されたフライパンですが、劣化してくるとメリットが得られなくなると知っていますか。
裏技的に『劣化したフッ素樹脂加工のフライパンがサラダ油を塗って焼くと復活する』といわれていますが、これは本当のことでしょうか。
総合調理器具メーカーの和平フレイズ株式会社(以下、和平フレイズ)に取材しました。
コーティング自体が回復することはない!
和平フレイズに「劣化したフッ素樹脂加工のフライパンが、サラダ油を塗って焼くと復活するというのは本当ですか」とうかがったところ、以下のように回答がありました。
鉄のフライパンなどと異なり、油を塗り込んで焼き込むことでフッ素樹脂の性能が回復することはありません。
フッ素樹脂加工が摩耗・剥離などにより劣化した場合、コーティング自体が元の状態に戻ることはありません。
一方で、フライパン表面に蓄積した油汚れや焦げつき成分が原因で、こびりつきやすくなっているケースでは、適切な洗浄や油を用いた加熱処理(オイルクレンジング)により、蓄積された汚れを取り除くことで、一時的に使用感が改善する場合があります。
ただし、これは表面状態の改善によるものであり、フッ素樹脂加工そのものが再生・復元されるわけではありません。
左はフッ素樹脂加工のフライパン(新品)。右は劣化したフッ素樹脂のフライパン。
(画像提供:和平フレイズ株式会社)
なぜ復活したように感じるのか
「サラダ油を塗って焼くと復活する」といわれる理由については、以下の通りです。
油を用いて加熱することで、表面に付着した油脂や微細な焦げつき成分が浮きやすくなり、洗浄によって除去しやすくなります。
その結果、表面状態が改善され、食材のこびりつきが軽減される場合があります。
ただし、これはあくまで汚れ除去による効果であり、摩耗したフッ素樹脂層を修復するものではありません。
また、過度な空炊きや高温加熱は、かえってコーティング劣化を進行させる恐れがあるため注意が必要です。
サラダ油を引いて焼いてもフッ素樹脂加工が回復したわけではないので、『あくまでも復活したように感じるだけ』なのです。

