【訃報】元外相・総務相 松本剛明さんが死去。ALSの症状や原因を医師が解説

【訃報】元外相・総務相 松本剛明さんが死去。ALSの症状や原因を医師が解説

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の主な原因

ALSの発症の正確な原因は分かっていませんが、現段階で分かっていることをいくつか示します。

SOD-1

日本において家族性ALSで最も異常がみられる遺伝子が、SOD-1です。日本では、家族性30%前後でSOD-1に異常を認めると報告されています。このSOD-1は、酸化ストレスを処理する酵素の遺伝子です。酸化ストレスのみならず、細胞内の小胞体ストレスや細胞死にも関連していると考えられています。このような複合的な要因でSOD-1に関連する家族性ALSは発症すると考えられています。
この酸化ストレスは、孤発性ALSの発症にも関連しているといわれます 。

TDP-43

孤発性ALSを発症した方を調べると、特殊な染色で染まる異常な構造が神経細胞内に見つかりました。その正体が、TDP-43というタンパク質でした。機能としては、細胞の維持に重要なRNAに関連することが分かりました。RNAの機能が障害され、孤発性ALSを発症すると考えられていますが、詳細は分かっていません。

グルタミン酸毒性

孤発性ALSを発症する原因の仮説のひとつがグルタミン酸毒性です。グルタミン酸は神経伝達物質のひとつで、過剰になると興奮毒性を引き起こします。最終的に細胞死を誘発します。また、近年の研究では、グルタミン酸が過剰になっている原因として、先行してAMPA受容体が過剰発現したり、易興奮性となったりすることが関わっているとも言われています。これらについてはまだ 、正確には解明されておらず、仮説のひとつにしかすぎません。今後の研究に期待がもたれます。

ALS(筋萎縮性側索硬化症)の検査法

ALSの特徴的な症状を確認することと似ている症状を引き起こす鑑別疾患を除外する必要があります。そのために実施される検査の代表を挙げます。

神経診察

ALSは運動ニューロンが障害される疾患です。運動ニューロンは上位運動ニューロンと下位運動ニューロンがあり、それらの症状を確認することが診断には必須となります。神経診察を行い、脳神経、頚髄、胸髄、腰仙髄の領域にどのような症状がみられるかを確認します。症状が典型的な場合は、診察のみでもほぼ診断することも可能です。
典型的な上位運動ニューロン症状としては、病的反射や萎縮筋の腱反射亢進などです。下位運動ニューロン症状としては、筋萎縮や筋力低下が挙げられますが、線維束性収縮があるかを最も重要視します。

電気生理学的検査

代表的な検査として、針筋電図検査および神経伝導検査はほぼ検査が行われます。
針筋電検査は、症状が運動神経の障害なのか筋肉の障害なのかを明らかにするために行われます。細い針を筋肉に刺して電気的な活動を記録します。運動神経の障害である場合には、急性のものか慢性のものかまで評価を行います。また、神経診察で特徴的な所見がない場合は、針筋電図の検査所見が代用できる場合があります。
神経伝導検査は、ALSらしさを検査するというよりは、似たような症状を引き起こす脱髄性ニューロパチーを除外するために行います。
基本的には、脳神経内科のある病院での検査になります。

MRI

ALSでも、頭部MRIのFLAIR画像で錐体路が高信号、SWIで運動野の低信号などの異常が見られます。しかし画像検査を行う主な理由は、鑑別疾患を除外するために行われます。そのため、頭部および脊髄のMRIはほぼ全例で実施されます。
頭部MRIは脳血管障害や前頭側頭型認知症、多発性硬化症などの脱髄性疾患を除外することができます。
脊髄MRIは、多発性硬化症などの脱髄性疾患、脊髄空洞症、脊髄症などを鑑別します。

配信元: Medical DOC

提供元

プロフィール画像

Medical DOC

Medical DOC(メディカルドキュメント)は800名以上の監修ドクターと作った医療情報サイトです。 カラダの悩みは人それぞれ。その人にあった病院やクリニック・ドクター・医療情報を見つけることは、簡単ではありません。 Medical DOCはカラダの悩みを抱える方へ「信頼できる」「わかりやすい」情報をお届け致します。