「末期腎不全」になるとどんな症状が現れるかご存知ですか?治療や過ごし方も解説!

「末期腎不全」になるとどんな症状が現れるかご存知ですか?治療や過ごし方も解説!

腎臓の数値が悪いと指摘され、将来の透析に不安を感じる方もいるのではないでしょうか。腎臓は、一度働きが大きく失われると、自力で回復させることが難しい臓器です。自分の腎臓だけでは健康を維持できなくなった状態を末期腎不全と呼びます。末期腎不全は、透析や腎移植などの腎臓の働きを補う治療を検討します。治療法によって生活への影響や通院の形が異なるため、病状だけでなく、仕事や家族との生活、これからの過ごし方も含めて考えることが大切です。

この記事は、末期腎不全の状態やあらわれる症状、納得して選ぶ治療法や過ごし方を解説します。

林 良典

監修医師:
林 良典(医師)

【出身大学】
名古屋市立大学
【経歴】
東京医療センター総合内科、西伊豆健育会病院内科、東京高輪病院感染症内科、順天堂大学総合診療科、NTT東日本関東病院予防医学センター・総合診療科を経て現職。
【資格】
医学博士、公認心理師、総合診療特任指導医、総合内科専門医、老年科専門医、認知症専門医・指導医、在宅医療連合学会専門医・指導医、日本緩和医療学会認定登録医、禁煙サポーター

末期腎不全とはどのような状態か

末期腎不全とはどのような状態か

末期腎不全とはどのような状態ですか?

末期腎不全とは、腎臓の働きが大きく低下し、自分の腎臓だけでは体内の環境を保つことが難しくなった状態です。腎臓には、老廃物や余分な水分の排泄、血液を弱アルカリ性に保つ働き、血圧調整、赤血球を作るホルモンの産生、ビタミンDの活性化などがあります。

これらの機能が十分に働かなくなると、尿毒素がたまり、尿毒症の状態に進みます。末期腎不全は慢性腎臓病の最終段階で、放置すると生命に関わります。そのため、腎臓の働きを補う腎代替療法を検討する時期といえます。

腎臓の働きがどのくらい低下した状態を指しますか?

腎臓のろ過能力を示すeGFRが15mL/分/1.73m2未満に低下した状態、CKDステージG5が目安です。ただし、eGFRが15未満になっても、腎臓の機能がすぐにすべて失われるわけではありません。多くの場合は、食事療法や薬物療法を続けながら、保存期治療を行います。透析などを始める時期は、eGFRの数値だけで決めるものではありません。自覚症状や栄養状態、日常生活の活動度などを総合的にみて判断します。

どのような症状があらわれるのか教えてください

末期腎不全は、腎臓が担っていた働きが低下し、全身に尿毒症症状があらわれます。尿毒症症状とは、腎臓から排出しきれなくなった老廃物などの影響で起こる症状です。具体的には、吐き気や食欲不振、全身のだるさ、皮膚のかゆみなどがみられます。
また、余分な塩分や水分を排出しにくくなると、顔や手足に強いむくみが出ることがあります。肺に水がたまると、息切れや呼吸困難が起こります。腎性貧血が進むと、少し動いただけでも息切れや疲れやすさが出ます。

末期腎不全で選べる治療と過ごし方

末期腎不全で選べる治療と過ごし方

末期腎不全ではどのような治療の選択肢がありますか?

末期腎不全は、自分の腎臓に代わって役割を補う治療として、血液透析、腹膜透析、腎移植があります。これらを腎代替療法と呼びます。

血液透析は、血液をいったん体外に取り出し、余分な水分や老廃物を取り除いてから身体に戻す方法です。通常は週3回、病院に通って行います。腹膜透析は、お腹に入れたチューブを使い、自宅や職場で透析液を出し入れする方法です。腎移植は、提供された腎臓を移植し、腎臓の働きの回復を目指す治療です。

透析と腎移植はどのように選びますか?

透析や腎移植は、医学的な適応だけでなく、生活スタイルや価値観、家族のサポート状況に合わせて選びます。それぞれに長所と短所があるため、医療チームと一緒に考えることが大切です。

血液透析は、医療スタッフに管理を任せやすい一方で、週3回の通院が必要です。腹膜透析は、自宅で行えるため仕事や学業と両立しやすい反面、自分や家族による操作や清潔な管理が必要です。腎移植は、透析の制約から離れやすく、生存率やQOLの面で利点がありますが、手術が必要で、術後は免疫抑制薬を飲み続けます。現在は、医療チームと患者さんが情報を共有して方法を決める共同意思決定が重視されています。

透析や移植を選ばない過ごし方もありますか?

はい、末期腎不全になっても、透析や移植を行わず、身体的な苦痛を和らげる治療を続けながら過ごす保存的腎臓療法という選択肢があります。これは治療を放棄することではありません。

高齢で合併症が少なくない場合や、ご本人が自然な形で過ごしたいと強く希望する場合に、かゆみや息苦しさ、食欲不振などを薬で調整し、穏やかにQOLを保つことを目指します。ただし、腎代替療法を行わないリスクを十分に理解する必要があります。

配信元: Medical DOC

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