末期腎不全についてよくある質問

治療を始めると生活はどう変わりますか?
治療後の生活は、選んだ治療法によって変わります。血液透析は、週3回、1回4時間程度の治療時間が必要です。旅行は、旅行先の透析施設を予約すれば可能です。腹膜透析は、自宅や職場で毎日数回の液交換を行いますが、通院は月に1〜2回程度で済みます。腎移植後は、透析による食事や水分の厳しい制限がほとんどなくなり、日常生活や社会復帰を目指せます。ただし、感染症にかかりやすくなるため、手洗いやうがいなどの予防習慣が欠かせません。どの治療でも、自分に合った生活の形を医療チームと作ることで、社会とのつながりを維持しながら過ごせます。
家族や医療者とどのように相談すればよいですか?
まずは、現在の病状と、今後の生活で何を大切にしたいかを考え、医療者へ率直に伝えることから始めます。仕事や趣味、家族との時間など、優先したいことがわかると、治療法を選ぶ判断材料になります。相談の場では、主治医だけでなく、看護師や医療ソーシャルワーカー、管理栄養士なども同席し、多職種のチームで支援を受けられます。ご家族も一緒に説明を聞き、各治療法のメリットやデメリットを共有しておくと、判断しやすくなります。
透析を始めたら一生続ける必要がありますか?
慢性的な経過で腎臓の組織が広い範囲で壊れてしまった末期腎不全は、腎臓そのものがもとどおりに回復することは難しいため、基本的には透析を続けるか、腎移植を受ける必要があります。ただし、例外もあります。急性腎障害や急速進行性腎炎症候群、ループス腎炎、悪性高血圧などで一時的に透析を導入した場合には、治療により腎機能が回復し、透析を離脱できるケースもあります。慢性腎不全でも、残された腎臓の働きである残存腎機能を保ち、食事療法や血圧管理を続けることで、透析の回数や時間を個別に調整できる場合があります。一度始めた後も、残っている機能を長持ちさせる視点が大切です。
仕事を続けながら治療できますか?
はい、仕事を続けながら治療している方は少なくありません。特に腹膜透析は、通院回数が少なく、工夫次第で職場で液交換を行える場合があり、フルタイムで働く方に選ばれることがあります。血液透析でも、夕方や夜間の夜間透析を選んだり、透析日を仕事の休みに合わせたりすることで、就労を続けられます。自宅に装置を設置して行う在宅血液透析もあり、時間の自由度を高められる可能性があります。腎移植後は社会復帰を目指しやすくなります。勤務形態の調整などについて、病院のソーシャルワーカーと相談しながら、仕事と治療の両立を考えられます。
編集部まとめ

末期腎不全は、腎臓の働きが大きく低下し、自分の腎臓だけでは体内の環境を保つことが難しくなった状態です。透析や腎移植、保存的腎臓療法など、選択肢は一つではありません。治療を選ぶときは、病状だけでなく、生活で何を大切にしたいかを医療チームや家族と共有することが大切です。腎臓の働きに不安がある場合は、一人で悩まず、腎臓の専門の医師や医療スタッフに相談してください。
参考文献
『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023』(日本腎臓学会)
『腎代替療法選択ガイド2020』(日本腎臓学会ほか)
『腎不全治療選択とその実際2025年版』(日本腎臓学会ほか)
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