その発熱、“様子見”は『危険』かも―― 感染症と熱中症、早く受診しないと「できなくなる3つのこと」【救急医解説】

その発熱、“様子見”は『危険』かも―― 感染症と熱中症、早く受診しないと「できなくなる3つのこと」【救急医解説】

厳しい猛暑が続く日本の夏は、熱中症患者が急増すると同時に、発熱を伴う感染症も増える時期です。実際、新型コロナウイルスは未だに夏にも流行の波がみられ、季節を問わず注意が必要です。「熱中症だと思っていたら、実は感染症だった」というケースも救急現場では珍しくありません。突然の発熱に私たちはどう向き合い、いつ・どんなときに受診すればよいのでしょうか。救急医として救急医療の現場に立ち会ってきた杏林大学救急医学・高度救命救急センター 特任教授 志賀隆先生に、猛暑日の発熱における「熱中症」と「かくれた感染症」の見分け方、すぐに受診すべき3つのサイン、そして「早めの受診」が治療選択肢を広げる理由について伺いました。


熱中症による発熱は「命に関わる」

高体温で『筋肉が溶ける』? シーズン初めは特に注意を

ヒトの細胞や体内酵素がよく働くのに適した体温は、36〜37℃程度といわれています。熱中症や感染症などによって発熱し高体温になると、細胞を正常に保つ機能が破綻し始めます。さらに重症化すると筋肉が溶け始めて内臓が傷つき、脳の働きも落ち、凝固障害(血液が固まりにくくなる状態)を引き起こします。最終的には多臓器不全となる恐れもあります。

最も熱中症の重症化に注意したいタイミングは、体がまだ暑さに慣れていない「シーズン初め」です。また、暑さが本格化したあとでも、湿度と気温が極端に高い「猛暑日」はやはり危険です。ここ数年は日本でも平均気温が上がり、熱中症は誰でもかかり得る身近な病気になっています。「熱中症くらいで」と思わず、放置すると命に関わることをしっかりと認識してください。

子どもや高齢者は「異常に気づけない」ことも。周囲が観察を

高齢者は暑さを感じるセンサーが鈍くなり、汗をかく力や、高温な場所から自力で移動する力も低下しています。体温が上がっているのに、平気だと思い込んでしまうのです。
幼い子どもにも同じような難しさがあります。「なんだか頭が痛い」「だるい」と感じても、それが熱中症だとは自分で理解できないため、自分の体調を言葉でうまく伝えられません。さらに大人に比べて背が低いため、地面からの照り返しの熱も浴びやすいという特徴があります。だからこそ、周囲の大人が常に気を付けることが大切です。

今日からできる3つの熱中症対策

服装:色と素材選びがコツ

主な熱中症予防対策は3つあります。1つ目は「服装の色と素材選び」です。黒い服は熱を引き寄せるので、白や黄色などの淡い色を選ぶのがおすすめです。素材については、綿や麻のような風通しがよく熱がこもらない素材のものを選び、必要に応じて帽子や日傘を使うのもよい手段です。

暑熱順化:徐々に体を熱気に慣れさせる

シーズンの初めは、少しずつ活動時間を延ばして体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」を心がけましょう。そして、できれば猛暑の時期に屋外で活動するときは、2人以上で行動してください。万が一倒れたときに、誰かが気づけるからです。

水分摂取と休憩:15分に1回補給を

屋外に長時間いるときは15分に1回程度のペースで水分をとり、1時間に1回は休憩をとりましょう。子どもの体調が悪いときは、日陰や冷房の効いた場所へ移し、飲めるようなら水分をとらせます。摂取する水分は経口補水液が望ましいですが、なければスポーツドリンクやジュースなどでもかまいません。

配信元: Medical DOC

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