「女性に血友病はない」は誤解――過多月経の陰に隠れる女性の出血性疾患

「女性に血友病はない」は誤解――過多月経の陰に隠れる女性の出血性疾患

遺伝的に血が止まりにくい血友病は患者さんのほとんどが男性で、女性は原因遺伝子があっても発症しないと、かつては考えられていました。実際には原因となる遺伝子を受け継いだ女性(保因者)にも過多月経(月経の出血量が多い状態)などの形で出血症状が表れることがあるのですが、「体質」とされてしまい診断につながりにくいのが現状です。サノフィが2026年6月に東京都内で開催したメディアセミナー「その生理のつらさ、普通じゃないかも―過多月経を通じて知る、女性の血友病」では、東京医科大学 臨床検査医学分野 教授の天野景裕先生が、女性の血友病やフォンヴィレブランド病について解説しました。講演の概要を紹介します。


日本の医療者にも残る思い込み

天野先生はまず、パリに住む20代女性の例を紹介しました。止血に問題のある血友病保因者の女性で、医師を含む多くの人から「女性に血友病はあり得ない」と言われ続けてきたといいます。症状を訴えても信じてもらえず、保因しているだけで出血症状はないはずだ、とも言われてきました。

「女性に血友病はない」という思い込みは、日本の医療者の間にも今なお残っていると天野先生は指摘します。

血を止める仕組みと2つの因子

けがで血管が傷つくと、まず血小板が集まって傷をふさぎ、続いて血液中の凝固因子がセメントのように固めて出血を止めます。この凝固因子の中心にあるのが、第Ⅷ(8)因子と第Ⅸ(9)因子です。第8因子が足りないものを血友病A、第9因子が足りないものを血友病Bと呼び、どちらも出血を止める力が弱くなります。

凝固因子の活性は、健康な人ではおよそ100%で、40%未満の場合に血友病と診断されます。

配信元: Medical DOC

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