紫外線によるシミを予防するには
編集部
シミ予防で、最も大切なポイントは何でしょうか?
川名先生
新しいシミを作らない工夫です。どれだけ優れた治療で今あるシミを改善しても、その後も紫外線を浴び続ければ新たなシミは増えてしまいます。そのため、季節や天候を問わず、年間を通して紫外線対策を続ける必要があります。
編集部
具体的にはどんな対策をすればよいのでしょうか?
川名先生
帽子や日傘、UVカット機能のあるサングラスなどを活用し、できるだけ紫外線を浴びない工夫が大切です。
シミの多くは、長年にわたる紫外線ダメージの蓄積によって生じます。患者さんの中には、「SPF50の日焼け止めを塗っているから大丈夫」と考えている人も少なくありません。しかし、日焼け止めだけでは紫外線を完全に防げません。
編集部
日焼け止めは、どのように使うとよいですか?
川名先生
日焼け止めは朝塗って終わりではなく、適量を塗り、こまめな塗り直しが大切です。どんなにSPFやPAの高い製品でも、汗や皮脂、衣服やマスクとの摩擦などによって少しずつ落ちてしまうためです。特に屋外で過ごす時間が長い日や、汗をかく季節は、2〜3時間おきの塗り直しを推奨します。また、塗る量が少なすぎると製品本来の効果が得られません。顔に使用する場合、クリームタイプならパール粒2個分程度、液状(ローション)タイプなら1円玉2個分程度を目安に、ムラなくしっかりなじませましょう。
編集部
自分で考える以上にたっぷり使う必要があるのですね。
川名先生
はい。さらに、頬骨の高い部分やこめかみ、鼻、首の後ろなどは特に紫外線が当たりやすく、塗り残しが多い部分です。こうした「うっかり日焼け」をしやすい場所こそ、意識して丁寧に重ね塗りをする習慣をつけましょう。
編集部
スキンケアで気をつける点はありますか?
川名先生
日々のスキンケアでは、徹底的に摩擦を減らす意識を何よりも持ってください。具体的には、洗顔でゴシゴシこすったり、タオルで強く拭いたり、必要以上のマッサージをしたりする習慣は見直しましょう。洗顔はたっぷりの泡でやさしく行い、タオルは肌を押さえるようにして水分を取る方法を推奨します。スキンケア用品を塗る際も、肌を引っ張らずに手のひらでやさしくなじませてください。さらに、肌の乾燥はバリア機能を低下させ、シミリスクを高めます。しっかりと保湿を行い、刺激に負けない肌状態を整えておくケアも大切です。
編集部
日常的にそれらの点を意識すると、肌の状態も変わりそうですね。
川名先生
特別なケアをたくさん行うよりも、「紫外線から守る」「こすらない」「保湿する」という3つのケアの毎日の継続こそが、シミ予防への有効な対策です。さらに、スキンケアなどの外側からの対策に加えて、体の内側からシミを寄せ付けない肌を育てるアプローチも大切です。
編集部
具体的にはどのようなアプローチですか?
川名先生
まず食事面では、肌の代謝を促すビタミンと、高い抗酸化作用を持つビタミンCやEを意識して、バランスよく摂るようにしましょう。紫外線によるダメージを抑え、メラニンの生成や定着を防ぐ味方になってくれます。そして、十分な睡眠をとり、日々のストレスを溜め込まないよう注意しましょう。睡眠不足や過度なストレスは、肌のターンオーバーを乱してシミを定着させるだけでなく、肝斑を悪化させる原因にもなります。毎日の「食べる、眠る、心を整える」という何気ない習慣の積み重ねこそが、健やかな美肌を作ります。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
川名先生
鏡を見てシミに気づくと、つい焦って特別なケアをしなければと思いがちですよね。ただ、普通のシミなのか肝斑なのかを自身で見極めるのは、とても困難です。日々の丁寧なスキンケアは、これ以上シミを増やさず、肌を健やかに保つための大切なベースとなります。その上で、今あるシミをきれいにしたいときは、医療機関での治療が有効です。シミの種類によって適切なアプローチはまったく異なります。セルフケアだけで解決しようと悩む必要はありません。専門医への相談により、自身の肌に合った正しいケアが見つかりやすくなります。
まずは毎日の肌をやさしくいたわる予防を大切にしつつ、自分のシミの種類を知りたい、自分に合った治療を受けたいと思ったときは、いつでも皮膚科を受診してください。
編集部まとめ
「シミ」と一口にいっても、原因や治療法はさまざまです。自己判断でケアを続けるより、まずは自分のシミの種類を正しく把握するステップが大切です。紫外線対策、こすらないケア、保湿を毎日続けながら、気になるシミは専門医に相談してみてください。
※本記事で紹介している治療は公的医療保険が適用されない自由診療です

